妄想別館 弐号棟


芸術の街 その7


(夏美)「ついでに教えてくれない」
(Mr.N)「なにをだぃ?」
(夏美)「カラクリがわからない。時間停止も裸も」
(Mr.N)「どうしようかな。企業秘密だもんな」
夏美は「ウッ」と、詰まる。
この仕掛けだけは、なんとしても聞きだしておきたいところだ。
(夏美)「どうせあたしも固められてしまうんでしょ。冥途の土産に教えてよ」
(Mr.N)「ははん、覚悟を決めたのか。往生際がいいな。いいだろう。教えてやる。
ある男が面白い物を発明した。
強力な重力場を作り、時間を限りなく止めることができる装置だ」
(夏美)「ある男って、あんたのことでしょ。なんだよぉ、もったいぶって」
(Mr.N)「うるさいな。いいだろ。第三者的視点風にしゃべりたいんだから。黙って聞け」
彼が言うには・・・
一応、重力マシーンと呼んでおくが、彼はさらに改良に改良を重ねて、ついにすごいものが出来上がった。
人間の脳波のみに感知して動きを止めてしまう。
他の動植物には一切干渉しない、つまり人間の時間だけを止めることに成功した。
これを使えば、盗みなどの悪事もたやすくできたが、彼は興味がなかった。
(Mr.N)「それよりもだな・・・」
彼は芸術家でもあった。
この装置と才能を生かして、何かできないかと考えていた。
(Mr.N)「そこで転機があったんだよなぁ」
ある日、街を歩いていたら、バッタリと、ある男に声をかけられた。
(Mr.P)「よお、元気か?」
(Mr.N)「ん?あー、あー、あんたはミスターピーイーか」
2人は旧知の仲である。
(Mr.N)「これこれしかじか」
この話を聞いたピーイーは、
「こんなのはどうだ」と、この大都市の芸術化計画を示してくれたそうだ。
(Mr.N)「それは面白い。ぜひやってみたい。でもなあ、もう資金がないんだ」
(Mr.P)「全面協力してやるよ。なーに金の心配はいらん。他にも技術的な道具や方法が欲しいんだろ。俺に任せておけよ」
そして・・・彼は壮大な(いやらしい)計画を実行することにしたのだった。

(夏美)「どうしてあんたは時間が止まらないの?」
強力な重力場の中なら、彼も止まってしまってもおかしくないはずだが、なぜだろう?
(Mr.N)「このリングをしているからさ」
気がつかなかったが、手首に細いリングをはめている。
全裸で一糸まとわず、かと思ったが、こんなものを身に着けていたのだ。
(Mr.N)「これは無反応装置だ。エリア内に入った人間は10分程で停止しちまうが、これをつけていれば平気なの。余裕で動けるわけさ」
なるほど。夏美は首をかしげてさらに聞く。
(夏美)「裸の人をエリアの外に出したら、装置の効力がなくなるんじゃないの?」
(Mr.N)「一度エリア内で固まったら外に出しても有効なんだよ。この装置が止まらない限り」
「一番問題だったのは・・・」、彼は一呼吸おいて、
(Mr.N)「裸体作品は動かないだろ。だから触ったり隠したりする、野暮ったい連中が必ず出てくると思ってたんだ。
実際そうだったじゃないか。それをどうするかが苦心したところさ」
いたずらされるのを警戒したと言っている。
(Mr.N)「だから触った者は、すぐにここに運び込んで、見せしめのため同じ作品にしてやることにしたのさ」
(夏美)「なに勝手なこと言ってる!」
(Mr.N)「勝手なものか。人の作品に対して失礼だろ!」
(夏美)「・・・」
その人々を、ここに連れてくる必要があったが、それはピーイーが手を貸してくれたらしい。
ピーイーがドラコメソッド商会から、何か妖力アイテムを調達したのだ。
裸体に触れた瞬間、一瞬でこの場所に転送されてくる、なにやらとても便利な代物が。
(Mr.N)「そしてその時間が止まった者を、今度はどこか適当な場所に置いてこなければならないわけだろ」
(夏美)「どうやったのよ?」
(Mr.N)「その運搬も、ピ―イーが手下たちを貸してくれたんだよ」
都内各所に運ぶのを手伝ってくれたと言っている。
そしてそれは効果抜群だったわけだ。誰も彼の作品に触れなくなったからだ。
一連のカラクリはそういうわけだった。

(Mr.N)「夏美、いやミスグリーン」
(夏美)「なあに」
(Mr.N)「スーパーガールをやめて、俺の手伝いをしてくれるなら助けてやる。どうだ」
(夏美)「冗談でしょ!断る!いやだよ!絶対にイヤダ!ふざけんな!」
「どうしてもか?」「どうしてもだよ!」「本当にどうしてもだめか?」「当たり前でしょ!」
(Mr.N)「そうか、ならばしかたがない。お前もオブジェにしてクラスメートの前に飾ってやるとするか」
(夏美)「うっ・・・」
恐れていたことを言われた。いやだなあと思った。最低な情景が目に浮かぶ。
こいつにも何をされるかわからない。いや簡単にわかる!
しかし、彼との直接対決は圧倒的に不利だ。夏美の勝ち目は、ほぼゼロだろう。
変身できない以上、体術で勝負だが、彼女はあまり得意ではない。
特技である妖術も人間であるネイキッドには効かない。
でも上述の通り、夏美はなぜか最初から負けることを『』としていた。

(Mr.N)「何か言い残すことはないか?」 
夏美は「一発殴らせて!」と飛び掛かっていったが「おっと」あっさりと受け流された。
素手では美穂や碧でも手こずった彼である。
生身の夏美では、まったく全く歯が立たなかった。
一発二発、いや三発までも、なんなくかわされた。
まわし蹴りを受けきられると、うまくまわりこまれて、まるで暴漢に襲われたように押し倒されてしまった。
いや、全裸の男に押し倒されているのだもの、暴漢に襲われていると言わずして何というのだ!
夏美は地面に押さえつけられて「ギャー変態!何をする!放せ!放せ!」と、叫びながら、懸命に抵抗するが・・・
ビクともしない。
ネイキッドは得意の絶頂になったが、夏美は「あんたなんかに・・・」というところで静かになった。
固まってしまったのだ。もうすでに10分は経っていたのだ。
ネイキッドは「なんだよぉ。あっけなさすぎてつまらん!」だそうだ。
彼はゆっくりと立ち上がった。
(Mr.N)「でも、まあいいか」
夏美は地面の上で、手足をばたつかせたように広げて固まっている。
3人の中では一番ダイナミックな作品に仕上がったようだ。
(Mr.N)「おっとその前に」
緑色のベネチアンマスクを拾った。もちろんレプリカだが彼は気がつかない。
ネイキッドは見下ろすように彼女をしばらく見ているが、
やがて満足そうにニコリと頷き、しゃがみこんで夏美の顔に近づいた。
ほおをゆっくりとなでていたが、抱き起こすとあごに手をかけて唇を舐め始めた。
(Mr.N)「かわいいねぇ」
夏美はゆっくりと服を脱がされて、大事な所を開かれて・・・

そしてまたまた次の日だ。
情景は美穂や碧と同じだった。
夏美は学校のキャンパス正門のところに、仰向けに寝ていた。いや、置かれていた。
もちろん、ネイキッドに襲われて、抵抗していた格好のためだが、ひどいものである。
なんとか逃れようともがいていたのが、ありありとわかる
首は横を向いて、目を見開いて何か叫んでいる。
両腕を上方にベタンと投げ出し、大きく開いたM字開脚だ。
一番見せたくない部分が、丸見えとなってた。
「うわすごい」か「なんてはしたない」か「かわいそう」か、感想的にはこんなのに分かれる。
しかし、誰もかれも容赦なく写真は撮っていく。
もちろん、美穂や碧と同じく乳首から糸が結びついていた。
『私、島瀬夏美は、スーパーガールグリーンなんです』
下の方にも何かヒラヒラ・・・
美穂と違って、両足が完全に開いているので、待ち針が深々と突き刺さっているのが見える。
「うゎぁ、痛そう!」と、誰かが言った。
結び付けられた糸の先には、
『グリーンはとても気持ちよく犯されました。そしてスーパーガールは全滅しました!』




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