妄想別館 弐号棟


その後の世界 その7


(W)「これはいったいどういうことなの?!」
(R)「だってしょうがなかったんだよ」
ブルーとレッドは事情を説明するのだが・・・
(W)「捕まえて罪をつぐなわせなければだめでしょ」
それにピーイーは悪業界の大物だった。
彼を捕まえれば、芋づる式に全国の関連組織を一網打尽にできたかもしれない。
そのチャンスを失ってしまった。
(B)「それはそうなんだけどさ・・・ あっという間だったんだもの」
(W)「あなたたちは若いのね。今後は警察と協力して・・・」
ホワイトが説教を始めたが、ブルーとレッドは反発する。
(B)「なんであれこれと指図するのよ?」
(R)「あたしたちはあたしたちのやり方でやるわ!」
(W)「そうはいかないよ。悪人と言えども法のルールで裁かなきゃ」
(B)「悪人は悪人でしょ。そんな生ぬるい事」
ホワイトは言い聞かせようとするが、2人もなかなか頑固である。
しばらく言い争っていたが、
(W)「口で言ってもダメなのかな」
(B)「とにかく嫌なものは嫌です!」
(W)「命にかかわることになるかもしれないのに! あんたたちは少し痛い目に合わないとダメなようだね」
(R)「力づくで従わせるって言うのね」
(B)「おもしろい。やってみなさいよ」
ムシャクシャしているブルーが啖呵たんかを切った。
(W)「仕方がない。そうだね。力づくでいう事をきかせるしかないな」
(R)「本気であたしたちとやろうって言うの!」
(W)「それしかないでしょ。いいからかかってきなさいよ。遠慮はいらないよ」
2(ブルー・レッド)対1(ホワイト)、双方飛び下がって構えた。

(W)「ベネチアンマスクがあるから、死ぬほどのダメージでも元に戻れるよね。こっちも遠慮はしないよ」
(R)「それはこっちのセリフよ。あたしからやる。ブルー待っててぇ」
(B)「あっそう。じゃあ、まかせた!」
2人は自信があったようだが、力の差は歴然であった。
(R)「さぁ、来なさ・・・ゲフ!」
ホワイトはいつの間にか手に棒を持っていた。
目にもとまらぬ早業で、レッドの腹にたたきつけていた。
レッドは吹っ飛ばされて転がっている。ブルーも何が起こったかわからなかった。
(R)「ウッソぉ!、今の何だったの」
レッドが立ち上がったが、今度はもろにブローを喰らってゲフッと。
「ふ、なかなかやるじゃないの」と、強がるが、1発、2発、5発、9発・・・
一方的にやられるばかりで、かすりもしない。
こうまで簡単にあしらわれるとは思わなかった。
ブルーも啞然あぜんと見ている。
(B)「ちょっとレッド何やってるの!」
(R)「うるさい、こいつ思たより強いんだよ」
ブルーとレッドは同じくらいの力量である。たぶんブルーがやっても同じだろう。
(W)「遅いな。いいよ術を使ってきなよ。あなたは火を使うんだったっけ」
怒ったレッドは本気で術を使うことにした。
(R)「焼け死んでも知らないよ!」
全身を真っ赤にして自慢の火炎を噴き出した。
(W)「ほぅ、確かに威力はすごいな」
建物を吹き飛ばしてしまったのもうなずける。
が、ホワイトは足を開くと両手を前に突き出して、白い霧のようなものを噴射した。
炎と霧がぶつかったが・・・炎は消えてしまった。
(R)「なんだそれは、あ!」
白い霧がレッドにかかると、
(R)「うわぁ・・・冷たい」
(W)「あたしは冷たい力全般を操れるの。これは冷気の噴霧よ。あなたの炎より威力がありそうね」
必死になって火炎を放射するが、簡単に吹き消されてしまう。
霧が徐々にレッドに吹きかかり、彼女はすぐに真っ白になってしまった。
「か、体が・・・」
いつの間にか動けなくなり、氷の中に閉じ込められている。

ブルーは驚いて見ていたが、あわてて水鉄砲を噴き出した。
当たればホワイトでもバラバラになってしまうだろうが、
「おっと」、ホワイトは手を広げて一瞬で氷のバリアを張った。
氷の盾は『ガシイッ』とウォータージェットカッターを受け止めた。
鉄でも切断できるはずなのだが・・・
ものすごい水しぶきが噴きあがるが、氷の盾はそれ以上ビクともしない。
(B)「き、斬れない。そんなこともできるのか?」
(W)「それ、どうした。それじゃ今度はあたしが」
今度はホワイトが氷のサーベルをとり出して真っ向から振り下ろした。
(B)「あ、うわぁ」
ホワイトの早業を水のバリアを張って防いだが・・・防げなかった。
バリアは水しぶきをあげながら切り裂かれて、ブルーは頭上から刀を受けて真っ二つに!
しかし一瞬で再生する。
(B)「驚いた。バリアが効かない!」
水のバリアはブルーの専売特許だと思っていたが、ホワイトもできるようだ。
しかも水よりも氷のバリアの方が強力だった。
(W)「すぐに再生できるんだ。水の能力だもんねぇ」
ホワイトはなるほどと感心していたが、
(B)「何感心してんだよ!」
(W)「そっか、戦闘中だっけ」
ホワイトは遠慮をやめたのか、白い霧を猛烈な勢いで噴きつけた。
ブルーは必死で反撃するが・・・
吹き出す水はたちまち凍りだし、水しぶきを浴びた彼女の体も瞬く間に凍り始めた。
寒さと相性の悪い彼女である。
「冷たいぃぃ」と、悲鳴を残して、レッドと同じようにいつしか氷像になっていた。
ホワイトはうなずいて右手を上げると、いつの間にか氷でできたこん棒を持っている。
カチンカチンに凍ったブルーとレッドに近づいて行き、
(W)「さあ、これであなたたちを砕いてしまおうか。
そしてベネチアンマスクを隠してしまえば、永久に元に戻れないね」
ブルーとレッドは凍っている唇を必死に動かして、
(B)「ま、待って下さい」
(R)「命だけは、助けてぇ・・・」
と、命乞いを始める。
(W)「やれやれ、あたしが敵だったら、これで終わりだよ」
彼女が手をブルブルと振ると氷は消えて・・・2人はしゃがみこんでしまった。
(W)「これで少しは懲りたでしょ。大人の言うことを聞きなさい。いいわかった!」




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