『怪我は完治したから大丈夫だよ。イタチ』
「もうあまり無茶するなよ?」
『うん。わざわざ寄ってくれてありがと』
「いいんだ。じゃあまた明日な」
『あ、ちょっと待って…』
「?」
『さっき八百屋のおばさんに沢山トマトを貰ったの。サスケにお土産』

午後5時30分。
今日もイタチはやって来たってばよ。
リクハ姉ちゃんに会いに。

「よお。…イタチ」
「…ああ。ナルトか」

さっきまで玄関に居た姉ちゃんと入れ替わるようにして姿を見せたオレに笑いかけてくるイタチ。
サスケと違ってまだ、"まだ!"愛想はある。
………チキショー。イケメンだってばよ…。
美男子はちーっと性格がひん曲がってるはずなのに(サスケのこと)、イタチはなんか違う。
オレは極力いい顔をせず、そりゃーそりゃー不服そうな顔をしながらイタチを見つめた。そんな捻くれたことをしているオレの名前はうずまきナルト。将来は木ノ葉の里の火影になる男だってばよ。

「いつもいつも姉ちゃんのお見舞い…サンキューな、イタチ」
「(そんな不満そうな顔で言われてもな…)いや、いいんだ。…邪魔したな。もう帰る」
「おう………」
「………」
「………」
「………」
「(話しすることねぇ!!!)」

オレってば、結構誰とでもすぐに仲良くなれたり誰かと話してても会話が続かないなんてことないハズなのに、なんだってばよこの気持ちのワリィ間はっ。サスケ相手してる時より話すことがねえ!(ただ言い合いしてるだけ)
なんだって姉ちゃんは、イタチを婚約者に選んだんだ?顔は確かにイケメンだし、めちゃくちゃ強ぇし、オレに対しても優しいところはあるけれども!こうも無口なヤツだとやりにくいってばよ!!!
おまけに何考えてんのかサッパリ読めねえ…。

「ナルト」
「…!(うおっ)な、なんだってばよ」
「オレに何か言いたいことがあるんじゃないのか?」
「別に、言いたいことっつーか…」
「あるならハッキリ言え」
「……」
「……」
「…えっと…」

勘もいいし、弱点なしか!?

「(意外とじれったい奴なんだな…)リクハのことか?」
「(ドキッ)…な、なんで姉ちゃんが出てくるんだってばよ!」
「顔に書いてある」
「ウソーッ!?」
「嘘だ」
「なっ…!」
「…物の例えだよ。言いたそうな顔をしているという意味だ」
「最初からそう言えってばよ…」
「で?なんだ」

うぐ…。威圧感ハンパねえ。なんかイタチに見つめられると視線反らしちまう。うちは一族って眼力あり過ぎんだよ、写輪眼でもないのに心ん中まで見透かされてそうな感じするし…。いや、実際見透かされてんのかもな。

「なんつーか…イタチは姉ちゃんと婚約しただろ?」
「ああ」
「もともと二人が付き合ってたのは知ってたし、オレも姉ちゃんが幸せなら嬉しいって最初は思ってたんだけど…」
「だけど?」
「…最近の姉ちゃんイタチの事ばっかで、前みたいにオレと修行してくんなくなった」
「……は?」
「この前なんか、夕飯に団子出してきてオレの好物とイタチの好物間違えたって、幸せそうに笑ってたんだぞ!?」
「あいつ、少し天然なところがあるからな」
「そういう問題じゃなくねぇ!?それにここ毎日!イタチの分の弁当は作るくせに、オレの分はおにぎりだけになったんだぞ!なにこの差っ。仮でも息子同然って言ってくれたのは姉ちゃんなのに!ちくしょうっ」
「…ナルト」
「あー!もー!イタチ!オレお前やだ!姉ちゃん返せってばよ!!」
「つまり、こうゆうことか」


そうです。
寂しくて嫉妬したんです。

(だから少しくらい会う時間減らせよ!)
(断る。なんだその理不尽な理由)


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