「意外だったわね…あのイタチさんが…」
「すんなり納得するとは…どうも腑に落ちない」
「結果オーライだってばよ!」

翌日。
再び任務終わりに三人は集まり、ナルトの計画とやらに付き合っていた。なんだかんだ言ってもサスケは昔から姉と慕うリクハのことが気になり、サクラは面白そうなものが見れるんじゃないかとここに居るのだ。今は火影室からリクハが出てくるのを待っている。

「カカシが落ち込んでいるから元気づけてくれ」
と、来る一日へ誘い出すためのきっかけを与える重要な任務を遂行する為にだ。ナルトは今日も「オレが行く!」と先手を切り、サクラとサスケは建物の外で二人が出てくるのを待つ。

『じゃあ、失礼します』
「お、出てきたっ!」

待つこと数分。
意外と早くチャンスがやって来たと、ナルトは至って平然を装いリクハに歩み寄る。今度は昨日のような間違いが起こると大変なので、サクラが用意したカンペを手の平に隠しそれをチラチラ見ながら事の説明をしていった。
二人が建物から出てくる時には、すでにリクハは考え込むような表情を浮かべておりナルトはニンマリと作戦成功の笑みを二人に浮かべた。

『カカシさんがねぇ…』
「愛弟子のリクハ姉ちゃんならって思ってよっ」
『最近は担当上忍以外にも別の任務に行ったりしてたから、疲れてるのかな…』
「そ、そうだってばよ。元気なさすぎてやべぇもんっ」
『そっかあ…私補佐についてるのに気づいてあげられなかったなぁ』
「(そりゃあ姉ちゃんと居る時は鼻の下伸びきって元気だもんよ…)」

切なげな表情のリクハに悪いと思いながらも、『わかった』と快く協力すると言ってくれたリクハに内心ガッツポーズを決めたナルト。
それを物陰から見ていた二人は、なんでこうもスイスイと事がうまく運ぶんだと疑問に思っていた。

「カカシ先生には、オレから言っとく!」
『本当?ありがと、ナルト』
「任せとけ!んじゃ、明後日!忘れないでくれってばよ!?」
『大丈夫。分かった』

そう念を押し別れたナルトがサスケとサクラのもとへ駆け寄ってくる。

「アンタにしてはすごいわね…」
「へっ、へっ、へっ。これくらいどうってことないってばよ」
「で、どうすんだこれから」
「あとはカカシ先生にリクハ姉ちゃんからってことで明後日呼び出してだな」
「集合場所と時間は?リクハさんに伝えたの?」
「…あ」
「…ウスラトンカチが…」

やはり抜けていた。ナルトは急いでリクハの後を追い、サクラがカカシのもとへ用件を伝えに行くことになった。サスケは呆れながらに明後日なんて来なければ良いのにと、悪態をついた。



当日。天気はよく、木ノ葉の里は今日も穏やかで平和だ。ナルトたちは集合場所から少し離れた物陰に身を隠し、二人が現れるのを待つ。

「結局気になってたんだな、サスケ」
「勘違いするな。オレは見張りで来てるんだ」
「んなこと言ってよぉ〜、協力してくれたじゃんかよぉ〜」
「黙れナルトッ」
「あ、二人とも!カカシ先生よっ」

口論が始まりそうになったタイミングで、先に姿を現したのはカカシの方だった。

「いつも遅刻して来るクセに、今日は早いわね」
「さすが姉ちゃん効果出てるなっ」
「あんなのが上忍でいいのかよ」
「あ、あれ姉ちゃんじゃねーの?」

カカシが到着してすぐにリクハも現れたのだが、三人はいつもと違うその姿に一瞬目を奪われる。シンプルな白いひざ丈のワンピースに、長い髪を後ろで一つにまとめ『カカシさ〜ん』なんて駆け寄る姿はマンガでしか見たことがないほど完璧なシーン。
それはもう世の中の男性が一番好きな鉄板スタイルで、なんでカカシごときに惜しみなく可愛さを発揮するんだとサスケは鬼のような表情を浮かべていた。

「えー。ちょっとなに、今日はデートなのリクハ」
『違いますよ』
「そんな可愛い格好しちゃって」
『あ、いや。他の洗濯しちゃって、これしかなかったパターンです』
「お前それイタチにもそうやって言うわけ?」
『カカシさんだけですね』

さっきまでリクハの周りに花が咲いていたような気がしたが、すぐに消え失せナルトも夢返せといったような表情で二人を見つめる。かろうじて聞こえる二人の会話は友達と話しているようなラフさがあり、特別何かがあるような関係には見えないし甘い雰囲気すらない。

『あ、カカシさんパックンお願いしますっ』
「お前ホント好きだね」
『可愛くてっ』
「オレはお前の方がかわいいと思う」

そう言った後にボンッと小さく煙が立ち込め、カカシの口寄せ動物である忍犬のパックンが姿を現す。昔初めてリクハの面倒を一日見た時も、こうしてパックンを呼び寄せたことを思い出すと懐かしい。
あの頃から会うたびに『パックン』とねだってくるようになり、なんだか自分の特権みたいで少しだけ嬉しかったりする。口寄せされたパックンを抱き抱え、カカシにとびっきりの笑顔を向けている風に見えるリクハの姿にサクラが「かわいすぎるわ」と一言。実際に笑顔を向けているのはカカシではなく、パックンだったりする。

「あー、お前に会った時のこと思い出すな〜」
『私小さかったから、うる覚えなんです』
「最初は子守なんて、ってオレもガキだったし嫌だったんだけど」
「そのうちすぐにリクハをに気に入ってな、カカシのやつ」
「だってすごいかわいかったし。今もだけど」
『すっごい目つき悪いカカシさんなら覚えてますっ』
「嬉しくないよそれ」

パックンを抱きかかえたまま移動する二人。
その後をバレないようにつけて行くナルト達。

「あのさリクハ」
『はい?』
「犬は自分で歩きたい動物じゃない?」
『えー…。パックンどう?』
「拙者はこの方が楽でいいぞ」
「ちっ。ずるいぞパックン」
「は、は、は」

リクハの腕の中で心地よさそうに目を閉じたパックンを見つめながらカカシは悔しそうに舌打ちしたが、次の瞬間にはそんなことどうでも良くなってしまうほどの笑顔がカカシに向けられた。

『お互い忙しい身だからなかなかこうして過ごせないけど』
「ん?」
『やっぱりカカシさんは、一緒にいて楽ですね』
「……何それ、告白?」


ワンピースとの笑顔
(意識してないと言う意味じゃろ)
(やめてパックン!夢壊さないで)


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