調査兵団で分隊長を務めていた兄が腕だけになって帰って来たあの日から…私は「死」に付きまとう深い悲しみを理解したんだと思っていた。兄の死を乗り越え剣を握り、彼の意思を継ぎ心臓を捧げると誓えた自分なら…仲間が死んでも兵士として強く在り続けられると…そう確信していたんだ。
「ヘイズッ!!!」
「いやぁっ!!」
『っ!!!!!』
でも実際は…そうじゃなかった。
目の前で仲間が断末魔を上げ、絶望に満ちた表情で巨人に食い殺される光景は……到底理解できる代物なんかじゃなかった。私はずっと、自分を過信してしまっていたんだと…ようやく気づいたんだ。
「ぁああ"ぁあっ!!!たずげてっ…たずげでっ!やだやだ死に"だぐな"っ…!!」
足元にできた血溜まりの中、三人の亡骸が横たわっていて…不意に視線を落とすと彼らの血に染まった手が私の足を掴んでこう訴えかけてくる。
「クロエ…なんで、タスケテクレナカッタノ?」
…と。
Season.3
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