07
「よっ!」
「チッ!」
よく分からない謎の遭遇率の爆豪くんと今日も鉢合わせ。最近迷子になっても爆豪くん今日会うかな、なんて迷子への不安も減ってきた。変に安心感ついちゃったんだよね、まずいまずい。
最近の爆豪くんも逃げないけども私を無視してトレーニングを続行しているため、大人しく暇を持て余しながら待つことにしている。
ちなみに今日の暇つぶし道具は昨日買っておいた少年漫画の新刊である。一緒に持ってきていたポテチとコーラを鞄から取り出し周囲にセットして漫画を読む体制を整えた。
「くつろぐ気満々じゃねぇか」
「時間の有効活用と言って」
漫画を読み進めようとすると、おいと爆豪くんは私の前に立つ。今日は珍しく私に興味があるのか私の返事を待ちながら私をじっと見下ろしている。
「てめぇの個性なんだ」
「え、他人に興味持つなんて、変なもんでも食べた?」
「殺すぞクソが」
「あーいつもの爆豪くんだ安心安心」
「これ以上茶化すと燃えカスにすんぞクソ迷子」
ドスの聞いた声で喋りながら私が寄りかかっていた木を蹴るように踏みつけると、背中からミシミシと木の悲鳴が聞こえた。わぁ怖い、そんなに知りたいのか私の個性。
「爆豪くんみたいに、いい個性じゃないよ。ちょっと膜がはれるだけ」
「あ?」
意外にも爆豪くんは前のめりになって聞いてきた。やっぱりヒーロー科ってそういうところ気になるんだなぁと思いながら私の個性の説明を続ける。
私の個性は自分を中心にしてシャボン液のような膜を作り出せる。攻撃された場合にその膜をはることでガードできるけど、いかんせんシャボン液のため大きな衝撃や連続攻撃には弱い。そして日常生活しててもあんまり役に立たない。
ざっと説明すると爆豪くんはふんっと興味なさそうに木から足を退けた。どうやら納得してくれたようだ。私に興味がなくなった爆豪くんは少し離れて中断していたトレーニングを再開する。
いつも爆豪くんにどつかれる時に膜をはれたらいいんだけど、膜のサイズ調整が難しくて近距離からどついてくる爆豪くんに一度も使えた試しがない。ある程度距離があれば、爆豪くんのどつきも一発くらいなら防げる気がするな。
「あ゛?」
「え?」
「てめェ今俺の攻撃も防げるって言ったなァ!」
「ひっ、地獄耳!」
右手から爆発音を出しながら近づいてくる。ヤバいマジだこの人!!普通のどつきなら防げるかもってだけで個性ありなんて無理だよ!
「待って待て待て!無理無理無理!!」
「歯ァ食いしばれや!!」
俺が一番
「はッ、余裕で破れんじゃねぇか」
「っ、だから無理って言ったじゃん!爆豪くんクソ怖いわ!!」
「てめぇが煽ったんじゃねぇか」
「あっ!髪の毛こげてる!!髪は乙女の命なのに!!」
「最初から乙女なんていねぇよ」