09
「てめぇはまたポテチか」
「美味しいよ!」
「知っとるわ」
爆豪くんのトレーニングを待っていると割と遅くなるから最近はよくポテチをお供にしている。最近ちょっと太ったような気もしなくもないけど、怖くて体重計に乗れないのが目下の悩みである。
そんな私の気持ちを察したのか爆豪くんは豚になんぞと言い放った。女子に言っていい言葉じゃないよ。まぁ爆豪くんは相変わらず私のこと女子と思っていないんだろうけど。
「爆豪くん家までお腹空かないの?」
「そんな芋だけじゃどっちにしろ持たんわ」
「あ、帰り道に買食い派?」
「そっちの方が効率良いだろ」
どうせなら肉まんとかハンバーガーとかあったかいものが食べたいっていうのは分かる。私の場合は下手に寄り道すると迷子になるからねぇ、というと憐れみの目で見られた。なんとも言えない悲しい気持ちになった。ポテチよ、慰めてくれ。
袋に手を突っ込んで1枚掴んで口に入れた。うん、安定の美味しさ。もう1枚と袋に手を入れてポテチを取るとふと爆豪くんと目が合う。
「あ、食べる?ほら」
「は?」
「あーん」
「…」
「あ、恥ずかしいの?やだ爆豪くんかわいい」
「誰が恥ずかしいだ!食べ殺したるわ!!」
「食べ殺すて」
その言葉の組み合わせは良くないと思う。爆豪くんは近づいてきて私が差し出す1枚のポテチを奪うようにかぶりついた。
あっという間に爆豪くんの口の中に吸い込まれていった。全然恥ずかしそうじゃなかった、残念。足りねぇ、もっとよこせと次を催促する声に今度は袋から5枚程掴んで差し出した。
「はい、あーん」
「てめぇはそれ言わなきゃいけねぇ決まりでもあんのか」
「気分だよ気分」
「うぜぇ」
パグっ
「っぎゃあー!」
「ポテチうめぇ」
「い、いまっ、指噛んだっ!!ポテチと一緒に噛んだっ!!DV反対!」
「うっせ!」
食べてしまいたい