10
「爆豪くん好きですっ、私と付き合って」
「あっ」
「あ」
なんてところに遭遇してしまったんだ。迷ったからと人の声がする方に出てくれば告白の真っ最中に出てしまった。しかも爆豪くんが女の子に地面に押し倒されている。
3人の中になんとも言えない緊張感が走る。早く謝ってこの場から逃げよう、と私が思うより先に告白していた女の子が一歩先に顔を真っ赤にして逃げていった。あああっ、大変申し訳ないことをしてしまった!!
「ばっ、爆豪くん追わなきゃっ!」
「はァ!?なんでだよ!」
「だって今告白されてたじゃん!」
「知らねぇよあんなモブ女!!」
「…でも押し倒されて」
「あぁん?!」
うわこわっ!すごい目でこっちを見てくる爆豪くんにこれ以上言うのを辞めた。押し倒されたことが相当嫌だったのかイライラした様子で服についた土を払い起き上がる。
「あの、邪魔してごめん」
「興味ねぇよ、誰かも知らねぇモブ女だ」
「お、おう、爆豪くんモテるね」
女子から押し倒されての告白って相当の熱量だよね。ちょっと人の生々しいものを見てしまった気分だ。顔は(黙ってれば)整ってるし、個性は良くて、将来有望だからモテるのは半分くらい納得できる。ただみなさんこの人性格クソですよ。と思いつつも爆豪くんの恋愛話とか気になる。
「試しに付き合うとかしないの?」
「めんどくせぇ」
「さては中学時代に取っ替え引っ替えだったな」
「うっせ!」
え、まじか、図星なのか。もうちょいほじくり返して聞きたい、と思うとこれ以上聞くなとばかりに睨まれたので視線を逸らしてその言葉を飲み込んだ。前に切島くんと上鳴くんに会った時に今いないって言ってたから、逆に今の状況の方が珍しいのかな。
盗むようにチラリと爆豪くんを見ると爆豪くんはまだこちらを睨んでいたので思わずひっ、こわっ!と叫んでしまった。そんな私にうっぜぇこのクソ迷子が!と怒鳴られてたので再びひぃっと叫んでしまった。
可愛くねぇ女