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「ちょうど会いたいと思っていた!!」
最近ついているのかもしれない。この前も会いたいと思っていた切島くんと上鳴くんに会えたし、今もそう。目の前の爆豪くんはこれでもかと顔をしかめている。2人に探ってもらってつきとめた好きなものをここ最近いつ爆豪くんに会ってもいいようにお礼の品を持ち歩いていたところだった。思った以上早く会えた気がする。
「てめェこの前」
「爆豪くんあのね!今日はいい話があるんだよ!きっと爆豪くん大喜びすると思うんっ痛!」
「聞けやクソが!」
「殴らなくてもいいじゃんかー!」
何さと言って爆豪くんを見ると、じろじろとこちらをガン見してくる。いつもと違う視線に違和感を感じて変に汗が出る。え、なんかあった?私なんかした?首を傾げていると、なにか納得したようにふんとじろじろとした視線を辞めた。え、何だったんだ。怪訝な目を向けていると何もねぇならいい、とぼそりと呟いた。え、え?もしや爆豪くん私のこと心配してくれてたのか。あの爆豪くんが?うわー、明日雪降るんじゃないかな。なんか知らないけどすごい嬉しい。
「こっち見んなや!顔が気持ち悪いんだよてめェは!」
「照れんなよー」
「ブッ飛ばすぞ!!」
おおこわっ!さっきまでいい感じだったのに。右手から煙が立っているのを見て黙った。話を変えよう。追及すると今度こそ本当に爆破されそうだ。
私は持っていた自分の鞄を漁り、今度会ったら渡そうと思っていたお礼品を手に取る。鞄の中に紙袋ごとしまっていたせいで紙袋の角は折り曲がっているものの、一番大事な紙袋の中にあるラッピングされた長方形の箱は綺麗なままだ。紙袋ごと爆豪くんへ渡す。今度は爆豪くんが怪訝そうに見る番だった。
「この前、保健室に連れて行ってもらったお礼です」
「なんだこりゃ」
「開けてみて」
ラッピングなんてどうでもいいのか、包装紙は見るも無残に破かれた。いや、うん、いいんだけどね。長方形の箱の側面には登山用のプラスチックマグボトルの写真が載っている。爆豪くんは想像していたものと違っていたようで一瞬ポカンとした顔をした。
ほら、前に休日登山するって言ってたから、と言うと覚えがないという顔をした爆豪くんだったが、取り出していた長方形の箱を紙袋に押し込んだ。特に反応はなかったけれど何も言われないってことはとりあえず悪くなかったってことかな、と自分で結論付けた。
私はもう一度鞄の中に手を入れる。実はお礼の品はこれだけではないのだ。
「続きまして」
「…まだあんのかよ」
「こちら、タバスコ」
鞄から1本のタバスコを取り出すと爆豪くんはポカンとして、は?と一言。切島くんと上鳴くんが調べてきてくれた爆豪くんの好きなもの=辛い食べ物を考えた結果、いつ出会えるか分からない爆豪くんには下手な食べ物より賞味期限の長い調味料が良いと判断した私は、タバスコ調味料を選んだ。ポカンとしている爆豪くんの掌に取り出したタバスコを押し付ける。
「さらに続きまして、タバスコ」
「はァ?」
「かける12本」
「なんで1ダースも持ち歩いてんだアホが」
たくさんのありがとうを