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全くもって謎である。
何がどうしてどうやってどうなって爆豪くんはいきなりあんなことをしたのか。もしかして私のこと好きとか。うわ、それが一番ないわ。好きな人相手に暴言、暴力するか?割といつも手加減ないよあの人。やっぱりからかわれてる線が濃厚かな。それか欲求不満か。私じゃなくても告ってくる人いっぱいいるだろうに。選び放題だろうに。私なら後腐れなさそうだからとか?ふざけんなよ。…いや、爆豪くんに限ってそれはないか。意外に真面目なんだよなぁ。
「あ」
「アァ゛!?」
ガラ悪っ。やっぱりこのチンピラ感、ヒーロー科に見えない。そしてなんか構えてしまう。思わずファイティングポーズを取るとさらに睨まれた。こわっ。負け試合じゃんかこんなん。
「てめぇ逃げてんじゃねぇよ」
「な、なにが」
「この前逃げただろうが!」
「ぐ」
そう、この前の事件はもう真っ白になりすぎて敵前逃亡しました。ここ最近で一番全力で走りました。走りまくった所為で迷子になりすぎて久しぶりにロボに見つけてもらって、先生にこっぴどく怒られた。よく考えればあんな状態の爆豪くん置いて逃げるなんて確かに酷い話だ。いや、流されるな!最初に酷いことしたのは爆豪くんの方だ!
こちらにドスドスと近づいてくる爆豪くんに逃げたい気持ちになったけれど、辛うじて一歩下がる程度でなんとか留めた。ファイティングポーズを解く気持ちにはなれない。そんな私を鼻で笑って、頭を鷲掴みにした。わぁ爆豪くん手でかいね、なんて怖さを誤魔化すために考えたけど、目の前の人は相変わらず怖い笑みを浮かべている。
「てめぇがそのつもりなら分かった」
「え!なに!?」
「後悔すんなよ」
「なに!?なんの話!?虐め宣言!?」
かみ合わない