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放課後の教室の扉がガラリと開いた。日直の相方が戻ってきてくれたのかと期待を寄せて、そっちに視線を向けると何故か爆豪くんが立っていた。
「え、どしたの?」
「どうでもいいだろうが」
ちょうど黒板を綺麗にしていたところの私の前に現れた爆豪くんは、つかつかと歩き教卓前の席に座ったと思えば机の上に脚を置いた。態度悪いな。その席の山田くんが泣くよ。
何を言うわけでもなく、ポケットからスマホを取り出していじりだす爆豪くん。本当に何しに来たんだ。とりあえず日直のお仕事である黒板を綺麗にする作業に戻る。その作業ももう終盤で、黒板を拭いても黒板消しは綺麗なままだ。ふいに背後から爆豪くんがおいと声をかけてくる。
「なに?」
「日直2人じゃねーんか」
「いや、よく分かんないんだけど、『俺はまだ死にたくない、すまん』て逃げられた」
「ざまあ」
愉快そうに笑う爆豪くんは本当に性格がひん曲がってると思う。今日一緒に日直であるはずの鈴木くんは何故か涙ぐみながら早々に帰って行った。明日埋め合わせを要求しよう。
「よし!おわりー!!」
「あ?まだ汚ねぇだろ、上の方」
「届かないからしょうがないさ!本気は出した!」
「気になるだろがクソが!!」
「高身長の鈴木くんがいないのは痛かったなー」
「ざけんな貸せや!」
机からガタガタンと立ち上がって私の手から黒板消しを奪うとガシガシと拭いていく。爆豪くんって動作はガサツなのにちゃんと綺麗にするんだよな。爆豪くんの手によってあっという間に綺麗になった黒板。良かった良かった。しかしあれだ、ここまで綺麗だと逆に汚したくなる。
「とう!」
「ア゛ァ!?このクソ迷子汚してんじゃねェェ!」
「汚すだなんて人聞きの悪い!落書きだよ!」
「どっちも一緒だわクソカスが!」
「よぉっし、定番の相合傘も書いちゃうぞー!」
日直