33



「爆豪くんの部屋、なんか甘い匂いするね」
「は?」



爆豪くんのベッドの側面にもたれかかるようにして床に座って言った。お宝探しもできず、やることがなくなったので、とりあえずさっき投げたクッションを引き寄せて腕に抱え込んだ。爆豪くんはベッドの上にどかっと座っている。

アロマでも炊いてるのかと聴くと、爆豪くんは少しだけ眉間にしわを寄せて、右手を私の方へ手を差し出した。
どう言う意味だろうと思いながらとりあえずその手を握り返してみれば、違えわボケ!と振り払われた。理不尽だ。

爆豪くん曰く、ニトロみたいな汗をかくらしい。それが甘い匂いの原因らしい。最初からそう言ってくれればいいのに、手だけ出されても分からないよ爆豪くん。さっきの手は要するに嗅いでみろってことだったんだ。今まで顔面掴まれもしたけどその後の暴力などによってあんまり甘い匂いがした記憶がないな。




「もう一回手出して」
「タイムオーバーだ、残念だったな」
「わー、みみっちい」
「んだとコラ!!誰がみみっちいだ!」




怒りながらその勢いで私の方へ手を出す。そんなつもりはなかったんだけど思わぬ形で爆豪くんの手をゲットしてしまった。ベッドの上から差し伸べられた手を見上げる形で掴む。鼻の前に持ってきて嗅ぐと確かに部屋と同じ甘い匂いがした。体臭甘い匂いとか女子力高すぎる。

あれ、よくよく考えるとなんだこの私と爆豪くんの体制。なんか面白いぞ。慌てる爆豪くんが見たくて掴んだ手をぐいっと下へ引っ張ると爆豪くんはピクッと反応したものの、その場から微動だにしなかった。




「ちぇ、失敗か」
「はっ!余裕だわクソが」
「わー、可愛くない」




余裕の笑みの爆豪くん。おもしろくないと思って掴んでいた手を離そうとすると、今度は逆に爆豪くんにガシッと掴まれて、反応する間も無く爆豪くんのいるベッドの上まで引き上げられた。ベッド、爆豪くん、私。爆豪くんの脚元に覆いかぶさるように乗っている私。ぽかんと爆豪くんを見るとアホ面になってんぞと爆豪くんは笑った。




「ばっ、爆豪くんのえっちー!!」
「うっせぇ!!叫ぶなや!」
「勝己あんたなにやってんのー!!」