「おい」
「う、ん?」
「起きろや、降りる駅じゃねーんか」
「う?あ!!」
自分が降りる駅の名前がアナウンスから聴こえてきて目がばっと覚めた。隣に座る爆豪くんの手を掴んで勢いのままに扉に走れば、くぐった瞬間にぷしゅーっと音を立てて閉まった。うとうとしてて乗り過ごすところだった。危ない危ない。
「何しやがんだクソが!」
「ぎりぎりセーフ」
「聞けやクソ迷子!」
爆豪くんの家からの帰り、爆豪くんのお母さんに言いつけられ爆豪くんは私を送ってくれていた。しかも私の家の最寄り駅まで。さすがに電車は乗れるよ、乗換駅で迷子には、なることもあるけど、そんなに多くないよ。遠慮したものの爆豪くんは私を無視してさっさっと改札をくぐっていった。そして今に至る。
「いやー、爆豪くんのお陰で寝過ごさずお家帰れるよー。ありがとう」
「寝落ちしてんじゃねぇよクソが」
「電車の揺れって眠くなるじゃん」
「知るか」
「なんか肩こったなー」
「人の肩に寄りかかってガーガー寝てたわ」
「まじでか!!」
そう言われれば喉が痛いような痛くないような気もする。というかガーガー寝てるところ見られたの恥ずかしいな。
改札に切符を通すとフラップドアが軽快に開き、よく知った景色が現れる。地元の安心感ってすごい。後ろを向けば爆豪くんも改札を抜けたところだった。
「ここまで送ってくれてありがとう」
「てめぇ家まで辿り着けるんか?」
「さすがに駅から家までは覚えてる」
「どっちだ」
家への道を指差せばその方向へ歩き出す爆豪くん。え、家まで送ってくれるのこれ?え、爆豪くんどうしたの?私を置いてズンズン歩く爆豪くんは最初の曲がり角に着くと振り返って次はどっちだと怒鳴るから急いで爆豪くんに追いつく。
「帰らなくていいの?」
「あ?改札通ってまたすぐ改札通るとかダセェだろが」
「確かに。あれ恥ずかしいよね」
「ここまで来たらついでだ」
「まったく、爆豪くんてばホント私のこと好きなんだからー」
「てめぇいっぺん死ね!」
電車