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午後4時。



「歩くの早いって!」
「ああ゛?」



先を歩く爆豪くんを追いかける。迷子放送でまだ機嫌が悪い爆豪くんはいつもより早歩きだ。



「ちゃんとついて来いや!」
「いやいや、身長差考えて。爆豪くんが早いんだって」
「あ?股下の長さだろうが短足」
「また迷子放送すんぞ」
「今度したらブッ殺ス!」



爆豪くんは目がガチだ。本当に殺されかねない。ちょっとしたイタズラなのになぁと思いながら爆豪くんについて行くと、歩みはいつも通りに戻っていた。なんだかんだいつも歩くペース合わせていてくれたんだと今更気付いた。分かりづらいなと思いながら爆豪くんの後ろをついて歩く。人が溢れるショッピングモールは歩くのにも一苦労だ。



「あっ、すみません」
「いや、こちらこそ」



すれ違い様に人とぶつかってしまい謝るとあちらからも丁寧に謝られた。軽く会釈をして爆豪くんの背中を見失わないように追いかける。前を行く爆豪くんはちゃんと付いてきてるか確認するようにチラリと私の方を見てチッと舌打ちをした。



「遅ぇんだよ」
「ごめんごめん」
「てめぇ方向音痴ならもっとちゃんと自衛しろや」



これでもしてるつもりなんだけど、と言い返す前に爆豪くんの左手が私の右手を掴んだ。そのまま指を絡ませてぎゅっと握る。爆豪くんは私に背を向けてズンズンと前を歩く。



「こうでもしねぇとまた迷子だろうが」