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だいたいにして謎だったんだよ。何度考えても性格はひん曲がってるけど、黙ってればイケメンで雄英体育祭で優勝する程強くて将来有望で、女子が寄ってこないわけがない。彼女の1人や2人あっさり作ってても全然おかしくない。なんで彼女作らないのか。ヒーローになることに専念したいからかな、なんても思ったけれど、健全な男子高校生って彼女欲しいもんじゃないの。もしかして爆豪くん健全じゃないじゃないのか。なんて、そんなことをたまにぼやーっと考えてた。上鳴くんたちが言っていた、爆豪くんは私が好きだなんてことを頭の片隅に追いやりながら。
「なんか言えや」
「…な、なんか」
「てめぇ捻くれてんな」
可愛くねぇ、と付け加えられた。聞こえてるぞ、うるさいな、今それどころじゃないんだよ。脳みそフル回転させて状況を整理する。落ち着け自分。からかってねぇって言われたけれど、それってどういうこと?どういう意味なんだ。訳がわからない。
「からかってるんじゃないなら」
「あ?」
「なんでこんなことするの?」
私がそう言うと爆豪くんは呆れたようにため息をついた。なんだその反応。ひどい。だってこんな訳分からないことしてるのはそっちなのに。むっとして睨むと、突然爆豪くんの腕が伸びてきて家の外壁にと追い込まれた。えっ、ちょっ、なんで壁ドン。近い距離で鋭い赤い目に睨まれて追い詰められたねずみの気持ちだ。
「んなの自分で考えろや」
耳元で爆豪くんの低い声が響いて離れていった。
耳に残る音