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「くらえーっ!」
蛇口の水はビシャーッと音をたてて、真横の蛇口で水を飲もうとしていた爆豪くんに一直線に向かって発射した。が、間一髪のところでさっと避けられる。
「避けんのはやっ!」
「何すんだてめぇ!」
「反射神経良過ぎかよー」
「人の話聞けやクソ迷子!」
頬をガシッと掴まれて強制的に黙らされた。眉間に皺を寄せてこちらを睨む爆豪くん。怖。蛇口の口を指で狭めて相手へ攻撃するなんて小学生ぶりの悪戯心なのに。正直に言っても真正面の人の怒りを買うだけな気がする。
「いやぁ、今日暑いじゃん?だから涼しくしてあげようかと思って」
「ほぉ」
「親切心だよ!ホントだよ?」
窺うように言えば、簡単に爆豪くんの手がパッと離れた。あまりに簡単に離されたから拍子抜けだ。どうしたんだろう爆豪くん。変な物でも食べたの?
じっと爆豪くんを見ると端正な顔をしたままこっちも見下ろしている。イケメンは3日で飽きるとか言うけど、爆豪くんは怒ってばっかだから飽きないんじゃなかろうか。爆豪くんってお得だな。
「おい」
「え?っぎゃぶぶふふっ!!」
「どんな悲鳴だよ」
「ゴフッ!何すんのー!」
「コレがてめぇがしようとした親切心だわ」
「こっち見ながら蛇口ひねるとか器用かよ!」
「余裕だろが」
「才能マンかよ!」
あついあつい