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「ここは、どこだ…」
大体にして雄英は敷地が広すぎるんだよ。今日も今日とて迷子だ。こんな莫大な敷地の費用はどこからきてるんだ。寮だって3日で建ったし、変にお金かけ過ぎじゃないか雄英。道としてこれは機能しているのか怪しい道を草木を掻き分けながら進む。
すると後方でドカンという轟音が聞こえた。振り返ると私めがけて木が倒れかかってきていた。あれ、なんだこのデジャヴ。また爆豪くんかよ。個性強いんだから、あんまり使っちゃダメだってば。倒れてくる木がスローモーションに見える。でも前回みたいな死ぬんじゃないかという気もしない。どこかで爆豪くんがいるから大丈夫かという安心感がある。木はもう目の前だ。
…あれ、爆豪くん、居なくない?あれ、これやばくない?今度こそ下敷きになるのか。ぎゅっと目を瞑って衝撃に備えた。それと同時にバキバキと木が割れる音がした。なんだ、やっぱり居たんじゃんか爆豪くん。
「大丈夫ですかっ!?」
予想していた声と全く違っててギュッと瞑っていた目を開けた。幼さの残る緑の髪をした爆豪くんとは全く似ても似つかない少年がそこに立っていた。あれ、この子体育祭で爆豪くんと一緒に話題になってた。
「怪我ないですか?!」
「あ、大丈夫」
「良かった!」
「助けてくれてありがとう」
「いえ!元はと言えば僕がこの木を倒してしまって!すみません!!」
「え、まじでか」
このベビーフェイスでこの木を倒すなんて、外見と中身にギャップがありすぎる。ペコペコと頭を下げる姿はなんだかこっちが悪いことをした気分になってしまう。
「特に何もなかったからそんなに謝らなくても良いよ」
「ホントにすみませんっ!」
「だから良いって、あ」
「どこか痛いところあります!?」
「そうじゃなくて。お詫びにひとつお願い聞いてくれない?」
「ぼ、僕にできることなら」
「そんな怯えなくても。ただ私の寮まで連れていって欲しいんだけど」
「え?」
「道に迷って」
「あ、だからこんな人気のないところに」
納得したように言った少年は、そんな事で良いなら、と力強く言った。やっぱりヒーロー科ってミリオ先輩しかりこんな感じだよね。爆豪くんはやっぱりちょっと異質だ。
はじめまして緑谷くん