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「うーん、どっちにすべきか」
「おっせぇわ!いつまで悩んでんだ!」
「あ」


自販機がピッと音を立てた。お金を入れた状態で迷っている私にキレた爆豪くんが自販機に手をついた拍子に全く違うボタンを押していた。ガコンと音がして思わず取り出し口に手を伸ばすと出てきたのはあったかいお汁粉。この暑さでお汁粉。まじかよ。


「…爆豪くん、責任持って飲んでよ」
「クソが!!」


私の手からお汁粉を奪い取る。思ってるより熱いお汁粉缶をイライラしながら乱暴に鞄へしまった。寮で誰かに押し付けるんだろうか。心配だ。
そう思いながら改めて自販機に向き直る。いちごオレとお茶で悩む。唸っているとチャリンチャリンと自販機にお金を投入する音。音の方を向くと爆豪くんがお金を入れていた。


「え、なに?」
「あ?」
「いやなんでお金?あ、お汁粉代?いいよ別に!」
「さっさとしろや」
「いやいや、私爆豪くんよりおねーさんだし」
「あ゛あ゛!?年上気取ってんじゃねぇぞ!」


いきなり目を釣り上げて怒り出す。いやいや、実際年上なんだけど。お財布からお金出そうとするも爆豪くんはすでに自販機から一歩離れて歩き出す気満々だ。このままだと置いていかれる。ぐぬぬ。とりあえず近くにあったいちごオレのボタンを押して、急いで取り出し口から取り出して振り返ると、爆豪くんはすでに歩き出していた。早いなおい!


「待ってよ!あとお金!」
「いらねっつってんだろ!しつけぇ!」
「こういう時くらい年上の威厳を振りかざさせてくれてもいいじゃん」
「貢いでくんじゃねぇわクソが!」
「はぁっ!?失礼な!こんなちっぽけな貢ぎ方しないわ!貢ぐならもっと盛大に」
「貢ぐなっつってんだろがクソ迷子!!」


沽券