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「爆豪くんの個性って手からニトロみたいなもの出すんだよね?」
「あ?なんだてめぇいきなり」


私が聞くと怪訝そうな顔をする爆豪くん。なんだよ、確認じゃんか。そんな怖い顔してこっち見なくても。いやいや、ここでへこたれるな。


「ふと疑問に思ったんだけど、近くに火があったら手に引火したりしないのかなと思って」
「クソかてめぇは」
「いや今罵られるところじゃなくない!?」


何にも突っ込みどころなかったじゃん、と言おうとする前にガシッと頭を掴まれた。あ、なんだか久しぶりに掴まれた気がする。…こんなことで懐かしさ感じるの気持ち悪いな。うん、止めよう。爆豪くんは私に何か吐かせようとする時すぐに頭を鷲掴みにする。これは私の意図がバレてるんだろうか。もうちゃっちゃっと言った方が私的にも気が楽だ。が、だけどいざ言うとなると恥ずかしい。爆豪くんになんとか恥ずかしさを悟られないように目をそらす。


「ほら、安全確認は重要じゃん」
「言いたいことねぇなら帰る」
「じゃなくてー!」


向きを変えて帰ろうとする爆豪くんの腕を急いで捕まえる。私なんていないかのように歩き出そうとする爆豪くん。この馬鹿力め、…もう覚悟を決めるしかない。


「あさって!!」
「あ?」
「がっ、学校の近くで!」
「?」
「花火大会があるんだけどっ!」
「…」
「爆豪くんに引火したりしないか心配で」
「ブッ飛ばす」
「ていうのは冗談でー!!……その、いっしょに、どうかなって」
「…」
「ほ、ほら!前一応誘ったし?まぁ、嫌ならいいけど」
「…」
「…」
「…」
「…なんか言ってよ」
「まわりくどい」
「バッサリ!」