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お祭り明けの学校はなんだか気だるい。これがまだ2学期じゃなくて補講だっていうのが衝撃だ。教室の窓から外を見ると青い空にもくもくと積み重なる入道雲。私の夏休みはどこに行ってしまったんだ。補講によって失われた夏休み。もう休みなんてほとんどなくなっていて、2学期はもう目の前だ。
「あ」
ふと空から地面へと視線を変えると見覚えのある薄い茶髪と赤髪と金髪と黒髪。目立つ4人だなぁ。4人は鞄を背負っていてどうやら今から帰るみたいだ。1年生は今日半日授業なのかな。そういえば爆豪くんが明日何かあるって言ってたっけ。なんか割と大事だって言ってたような気がするけど忘れてしまった。まあそれで早帰りなんだろうな。
2年教室は二階あるから4人の姿はちんまりとしか見えない。近くで見るとヒーロー科らしく1年生のわりに大きいせいでたまにこうちんまりした姿を見るとなんだかかわいらしく見えてくる。実物は生意気盛りだけど。
「なーに見てんのー?」
「ヒーローの卵たち」
「おっ、彼氏じゃん」
「かっ!?」
一緒に窓を覗き込む友人にギョッとして友人を見た。友人は4人を見ながら呑気に若いねぇなんて言って笑う。それから驚いてる私を見て、少し驚いた。
「え、彼氏でしょ?花火大会行ってたじゃん」
「それは約束してたから!」
「えー、じゃあデートしただけ?友達なの?」
「デッ!?……いや、ただの友達とは違う、と、思うけど」
「えー?何にそんなに迷ってんの」
だって、と言おうとして口を閉じた。何を持って付き合ったと言えるんだ。分からん。だって、爆豪くんから好きだと言われたじゃない。私だって言ってない。ただあの時、言わなくてもなんとなくお互いの気持ちが通じたような、そんな不思議な感覚がした。その時から前の関係と少し変わったことは確かだ。これが彼氏彼女の距離感というものなのか。
「うーん」
「難儀な性格だねぇ」
「自惚れていいのかなぁ」
「(爆豪くん可哀想に)」
経験値ガ足リマセン