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「爆豪謹慎っすよ」
「は!?謹慎!?」


たまたま廊下で会った上鳴くんと瀬呂くんからいきなり言われた言葉に思わず声が大きくなった。周囲からの視線が痛くて、その視線をブロックするように窓際に顔を寄せると、2人も同じように顔を寄せた。


「なんでまた謹慎なんか」
「ほら、今朝の全校集会で喧嘩した生徒がいたって話あったじゃないっすか」
「まさか?」
「まさか」
「まじか」


2学期早々からぶっ飛ばしてる。呆れて乾いた笑いが出ちゃうよ本当に。誰となんで喧嘩したんだ。というか爆豪くんと喧嘩だなんて考えただけでボコボコにされそうで恐ろしい。


「結構やり合ったらしくて、珍しく爆豪もボロボロ」
「え、まじで?もしや相手の子もヒーロー科?」
「同じクラスの緑谷っていう」
「ええ!?あの緑谷くん!?」
「え!?知ってんですか!?」
「先輩、1-A制覇する気すか」


驚く上鳴くんに瀬呂くんは笑って言った。まじか、あの温厚そうな緑谷くんか。喧嘩の相手が意外過ぎる。しかも爆豪くんが珍しくボロボロだと。意外だ。意外すぎる。


「あの2人ってどういう関係なんだ」
「えー?1-A三大七不思議の1つ?」
「3つなの?7つなの?」
「クラスメイトからも不思議がられてるのは分かった」
「幼馴染だし思うことあるんじゃないですか?」
「え!?幼馴染なの!?」
「知らなかったんすか?」
「付き合ってるんですよね?」
「つきっ!!?………合ってるように見える?」
「えっ!」
「おっ!」
「え、なにその反応」
「ついに先輩が素直に!」
「長かったなぁ」
「さ、最初から素直だし」
「そういうところが素直じゃない」
「ええい!今そういう話じゃない!」