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目の前にドンと置かれたのは学食スペシャルスイーツ、みんなの憧れパッフェである。ランチラッシュが腕によりをかけた一品で、学食の中でも異質な価格で販売されている。つまり高級品。
「えっと、これどういう状況?」
「分かれや!」
「分かるか!いきなり学食に連れてこられたんだから」
高さ30センチはあるであろうパフェが大き過ぎて真正面から爆豪くんが見えない。体を傾けてパフェの横から覗き込むと、下顎を出しながら学食の椅子に横向きで座っていた。態度が悪い。
「そういうクソ甘ぇの好きだろ」
「いや好きだけどいきなり何?何か変なもの食べた?」
「黙って食えや!食わせ殺すぞ!!」
今日の爆豪くんはテンション高かったり低かったり忙しいな!パフェを見るとてっぺんのクリームがでろっと垂れ始め、中のアイスクリームもふにゃふにゃと柔らかくなってきている。なんで爆豪くんがいきなりパフェを奢ってくれるのか謎だけどパフェに罪はない。スプーンを持ってクリームを一掬いして口に入れた。
「んー!雄英生で良かった!おいしい!!」
「そうかよ」
「爆豪くんも食べる?あーん」
「いらねぇ、全部食え」
パフェに隠れている爆豪くんをこっそり覗き見ると満足気にニヤリと笑っていた。なんだなんだ。怪しいぞ。高額のものだし、まさか食べ終わったら悪徳商法よろしく何か要求されたり…?
「な、なにを企んでるんだ」
「てめぇもしつけぇな。そんな企んでてほしいんか」
「うまい話には裏があるってよく言うじゃん」
「分かんねぇなら一生考えてろや」
「答え合わせ無し?!」
「5分以内にそれ全部食えたら教えたらぁ」
「教える気なしかよ!やったろじゃないか!」
心配よりも笑ってて