▼2026/10/11:午後三時 猫の縞々フィラメント 日暮れ近づく 秋味のお茶
いつもの猫カフェに新顔の猫達がやってきた。昨日の帰り道で店内に背の高い大きなケージが増えているのに気づき、そっと窓から覗き込むと猫のシルエットが二つ。今までの三毛ではないと直ぐに分かり、新しく迎え入れられた子達がいるのだと思って、今日行ってみた。縞模様の猫が二匹と、茶トラの仔猫が増えている。お店の人曰く、皆男の子だという。そしてとても人に慣れている。今日初めて会った私にもすりすりと甘えてくるし、遊ぼうとばかりにおもちゃを咥えてトコトコと寄ってくる。今日私は毛足の長いニットを着ていて、見事に毛まみれになった。
いつもの三毛猫も負けじとばかりに寄って来てすりすりしてくる。そう言えばこの服を着てこのお店に来たのは初めてだった。彼女は私が着ている洋服の種類を覚えているらしく、初めて着ていった洋服には必ずにおいをつけようとする。
本日のドリンクは梨のティーソーダ。シロップ漬けの梨が細かく刻まれて紅茶に混ざり、太いストローを使って飲む。猫達は何故か私のドリンクが気になったようで、舐めようとするのを止めるのが少し大変だった。猫にカフェインは宜しくないので。
いつもの英語学習をしながら猫を眺め、時々構う。足元に擦り寄って尻尾でズボンの裾をぱたぱたさせるのが可愛い。構って欲しいから寄ってくるのだろうけど、猫は気まぐれなので構い過ぎるのは多分良くないから軽く毛並みを整えるように撫でたり、お尻をぽんぽんと柔らかく叩くように撫でてやる。猫はお尻を撫でられるのが好きと言うのは本当らしく、もっともっととやってくるのが可愛い。
三毛猫は私の向かいの椅子に丸くなって香箱を組んでいた。新入りたちが時折彼女にちょっかいをかけては威嚇されていて、恐らく若い猫だから好奇心が旺盛なんだろうと見守っていると目の前のテーブルに乗って『止めなさいよ』と言うみたいに鼻先をちょんとしてきた。私は今日もきちんとメイクをしているから猫からすると好ましいにおいはしないと思うんだけど、関係ないとばかりに寄ってくる。
すっかり大所帯となった猫カフェは変わらず居心地が良くて、ついつい長居をしてしまう。犬もそうだけど、猫も、見ていて飽きない。遊んでいる様、伸びをしてテーブルにジャンプする姿、窓枠に腰掛け外を眺めている様。どれも私の目を惹くし、いつか暮らすわんことの暮らしも少し想像させてくれる。
実は今日不動産屋さんに行って来て、良さそうだと思っているお部屋と同じ管理会社が管理する空き部屋を幾つか見せてもらった。比較検討の材料と言う奴で、大分イメージが湧いた。今回はあくまでも内覧で、住みたいと思っている部屋と似た部屋を観察する心算で行って来ている。
一人暮らしだとどうしても収納の大きさが限られる事、築年数が十五年を超えると少し内装が草臥れて見える事、私が『良いな』と感じている部屋は大きな通りに面しているから冬も歩きやすいだろう事、様々な事を担当者が説明してくれて、私の中に少しずつ納得値みたいなものが積もっていっている。最近のお部屋探しは完全に空き部屋になってしまってから内見をして契約と言う流れよりも、似た感じの部屋でイメージを膨らませてから検討し、納得したなら内見前に申し込みをしてしまうというケースの方が多いらしい。その申し込みが入らない部屋は、言ってしまえば『残り物』に近いとのこと。なるほどなぁと思った。住みたい人が尽きない部屋は多分良い部屋の事が多いんだろう。
今回気になっている部屋は相場よりもやや家賃が安く冬の暖房費が抑えられそうな事、収納が(写真を見る限りでは)わりと大容量な事が良さそうだと感じる要因である。あとは内装も好み。壁紙と床の色がとても好き。ただ、ずっと考えて探していた条件を二つ外している。でもその二つだけで見送ってしまうのは惜しいと感じるくらいに魅力的だ。築年数が浅く、周辺環境も良い。何よりわんこと暮らす事が出来る。
不動産屋の帰りに駅からその物件まで歩いてみる事にした。まずは昼間の道のりを確認する。地図アプリを元にその場所まで向かい、帰り道で分数を測る。私の足だと駅まで約十分。そこから改札までも少し歩くけど、許容範囲。部屋の周辺にはロードヒーティングが入っており、たまたま根雪の積もった時期の画像を見る事が出来たが明らかに雪が溶けてなくなっている。駅までの道のりには芝生が植えられた公園もあり、小さな川も流れている。道を確認していると、小さな黒いわんこ(恐らくはミニチュアシュナウザー)が楽しそうにお散歩していた。
公園に入ってみる。青々とした芝生の感触が靴底越しにふかふかと伝わる。小川の流れはかなり穏やかで、大雨が降った時は少々心配だけど上にかかった橋までは十分に高さがあり、川から岸部までにも幅がある。駅近くにはスーパーマーケットやカフェが幾つもある。コンビニもあれば病院もある。薬局もあるし、牛丼屋もある。
割と好印象な部屋だと総括して思うけれど、次は夜間の道のりを歩いて確認したい。大きな道路に面しているとはいえ、防犯は心配な昨今、慎重に検討したい。ちなみに建物の目の前には街灯があったし、オートロックで宅配ボックスもサイズ違いでちゃんとある。でも今の家みたいに徒歩で直ぐの距離に交番や郵便局は無い。
比較する材料を色々と手に入れられた一日だったように思う。そして、上から目線の言い方になってしまうけれど、今回の不動産屋さんの担当者さんはなかなかに誠実な仕事をされているように感じる。メリットもデメリットもきちんと教えてくれるし、質問には正直に答えてくれているように感じる。以前の人が駄目だったとかではない。決して。ただ合わなかっただけだ。合う合わないは誰にでも何にでもある。
家で昼食をとってから猫カフェへ向かって新入りたちにご挨拶した訳だけど、もしも私の何かが違ったら、この子達みたいな猫と暮らしていたかもしれないと思った。何かと言うのは趣味のドールの話で、部屋にいるドール達に悪戯されるのが嫌だという事なのだ。多分躾の問題もあるけれど、猫と言うのは比較的高い所へ登れるし、置いてあるものは落とす傾向にある生き物だと思っているので。
勿論わんこも悪戯する時はするし、やんちゃな子は多い。でも猫に比べて高い所に登る子はきっと少ない。何より私の頭の中には既にチワワが住み着いている。仕事がきつくても脳内で彼女と会話していると励まされる。私はあの子をお迎えして一緒に幸せになりたいし、多分あの部屋ならそれが実現しやすいんじゃないかと思うのだ。
ただ、チワワをお迎えしたら猫カフェに行く回数はきっと減る。うちの子が一番可愛くなるに決まっているし、今の私にとってあのカフェの猫達は『推し』なんだけど、うちにやってくるチワワは『最推し』なので。