本当に来るのかな?
忙しい不死川さんのことだ、来ないはずだ。
たかが一人の相談者にそもそも時間作ってくれるはずなどない。
お酒の勢いもあるだろう。宇随さんかなり酔っていた。


定刻前に一応ついたけど、あれ?向こうから見えるのはまさかの本人だ。


(まじですか…!)


隣のお巡りさん  09   


「こ、こんにちは」
「お、おー」

不死川さんもひどく驚いている。顔が引きつっている。
しばしの沈黙。ああ、どうしよう。

「今日はせっかくの休みにすみません。まさか来られるとは思わず…」
「俺も来るとは思わなかったぜェ…」

私服の不死川さん、背たっか!シンプルな服装なのにチラりと見える傷がアンバランス。

「ま、乗れば。」
視線のその先には黒い車が。車種には疎いけどすごくよさそうな車だ。
言われるままに車の中へ。どこに座ればいいんだろう。
後ろかな?と、ドアに手をかけようとすると助手席を開けてくれた。

「なんで後ろなんだよ」

確かに!二人で乗るのに前と後ろって不自然!
「お、お邪魔します。」
縮こまっているとくつくつと笑いながらエンジンをかけた。

「何、とって食ったりしねェよ」


防犯グッズ、近場にもあるみたいなんだけど巡回エリアだと見つかったら色々と面倒みたい。だから少し郊外まで走るそうだ。
全部お任せして申し訳ないです。


「お茶!飲みますか?コンビニで買ってきました、」
「ん」

さてさて何を話せばいいのやら…私の心臓はドキドキしっぱなしです。
いろんな意味で。

(パトカーのほうがよかった!)


***



少し走るとおしゃれなホームセンター的なところについた。
店の中を見ると、たくさんの品物が。

「最近の防犯グッズはおしゃれなんですね。」
「目立つとバレるしよォ…」
これとかどうだ?と持ってきたのは護身術用ボールペン。

「さ、刺すんですか!?!?」
「ブっ刺すんだよ。そんくらいいいだろ」

よくないです!!そもそも男の人に立ち向かえるはずがない!
不死川さんは過激なものばかり持ってくる。電気が流れるやつとか。


二人であーだこーだ言って結局買ったのは投げつけて色をつけるボールと、
ビービー鳴るキーホルダー。千寿郎君とおそろいらしい。
ボールは犯人を捕まえるのにかなり役立つとか。
キーホルダーはいるか謎だったけど、不死川さんセレクトのを買った。
“大音量タイプ”と書いてある、鳴らすのが逆に怖い。
見た目はかわいらしいのにした。
家の防犯グッズもみていたんだけど、不死川さんに止められた。
「隣にサツが住んでんだ。一番の防犯だろうが。」

たしかに!安心だ!!

時刻は昼前。

「お昼、どうしますか?私おごります!」
「・・・・腹減ったしなァ…。食って帰るか」


そういいながらまた車を走らせる。
不死川さんや私の家族のこと、仕事の話。たくさん話をした。
不死川さんは兄弟が多いみたい。
「やっぱり長男さんなんですね!」
「悪ィかよ」
「だって面倒見がいいから」
ふと横をみると少し照れたような表情。あ、可愛い。

「お前は話せば普通なんだから、友達作れよ」
「はい、女友達がほしいです!もっと頑張ってみます」
「まァ、無理すんな」


あっという間に定食屋さんについた。いつものいきつけらしい。


「いらっしゃい、、あらららぁ〜!不死川さん!と、その可愛らしい子はもしかして!?」

ドアをあけるとまぁ可愛くて目がぱっちり、そして巨乳のお姉さんが!
「二人いいか」
「いいわよー!もしかしてもしかするとなのー?!」
「違ェよ。仕事の買い出しだ。」
「こんにちは!私、密璃って言います!不死川さんとは学校が一緒だったの〜!」
「はじめまして、マツタケです」
「タケちゃんね〜!私のことは密璃でいいわ!」
キャッキャ言ってると奥から店主らしき人がちらっと顔をだした。

「珍しいな。胡蝶以外の女とくるなんて。とりあえず席に座らせてやれ」

また聞いた胡蝶という名前。

「天丼がうまいんだよ」
そう言ってごはんを食べる不死川さん。はじめて対面で座ってるからとっても緊張する。
「緊張します…」
「なんでだ」
「だって不死川さんが警察官だから、、」
よりによって私はカツ丼のミニを食べている。
「事情聴取されるようなことがあんのかァ」
「ないです!」
そうすると海老天をひとつくれた。優しい。
そのかわりカツを半分奪われた。別にいいけど、海老天うまい。


「あいつらただの仕事の付き合いにしては親しいな」
「そう思う〜?キュンキュンしちゃうわぁ!」


「ゆっくり食えよ」
そういって食べ終わったらカウンターで三人でしゃべっている。仲がいいんだなぁ。


「ご馳走様でした。あの、伝票は?」
「もう不死川さんが払ったわよ〜!タケちゃん、また来てね!」

「困ります不死川さん!いくらでしたか!?」
「いいんだよ」
店を出ようとしたらお客さんが入ってきた。


「あれ〜?不死川さん!久しぶりですね〜!」
「胡蝶…」

美人姉妹が入ってきた、どうやら知り合いらしい。
二人ともじーっと不死川さんを見ている。


「カナエちゃーん!しのぶちゃーん!お久しぶり〜!」
奥から密璃さんが走ってきた。乳房がこぼれそうです!!

「チッ、、帰るぞ」

そういって急いで店を出た。


「またね。不死川くん。」

すれ違いざまに聞こえた、またね。ただならぬ雰囲気だった。

帰りの車では何やら重苦しい雰囲気。
胡蝶さん、最近何度か聞いた名前。ちょっと気になる。


「ありがとうございました、ほんとお金を…」

そういうと、また団子でいいと言って部屋に入って行った。
目まぐるしい一日。なぜか心がざわざわした。



End




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