それからというもの、玄弥さんの送迎が始まった。
マンションの下は目立つから、と場所を変えてくれている。住人たちにも最初は問いただされたけど今となっては何も言われなくなった。
【変わりねェか…】
とたびたび連絡がくるので不死川さんには大丈夫と返信している。
隣のお巡りさん 11
毎日顔を合わせているからか、玄弥さんとは普通に話せるようになってきた。
主に不死川さんのことを話していたけど、最近はよくお互いのことも話すように。
玄弥さんも女性が苦手らしい。けどだんだん普通に接してくれるように。
妹さんの話もでたけど、今は元気にされているみたいでホッとした。
玄弥さんは不死川さんのことが大好きらしい。
そしておそらく不死川さんも玄弥さんを大事にしてることは伝わった。
家族みんな仲がいいんだなぁ〜
「ごめん、俺今日早く出勤しなきゃなんねえから飛ばすわ」
「え!?出勤中じゃないの?」
話を聞けば、出勤外での送迎らしく…とたんに申し訳なくなってきた。
「玄弥さん、ごめん!今日で送迎最終日だよね?」
「明日兄貴帰ってくるからな」
「今夜晩御飯おごらせて!!」
兄貴がなんていうか、と渋っていた玄弥さんを無理やり説得して夜は密璃さんのところへ寄って帰ることに。
「こんばんは」
「あらー!タケちゃんに不死川さんの弟さんだわ〜!」
「密璃さんこんばんは!」
「・・・」
玄弥さん固まってる、早く席につこう。厨房にはご主人がせっせと大変そうに作っている。
「今日はね、宇随さんと煉獄さんもいるのよ〜!」
と、通された奥のお座敷をあけるとほろ酔いの宇随さんと太陽さん。煉獄さんっていうんだ。凄い名前!
一緒の席じゃなくてもよかったけど自然と通されてしまった。
「おー!久しいな!元気してたか?」
「うむ!不死川弟も元気そうだな!」
ここは定食屋さんじゃなかったの?テーブルにはビールやつまみだけじゃなく山盛りご飯
まで置いてあった。
「あ?おいおいおいまてよ、タケ、なんで不死川の弟といんだ?」
酔っ払い宇随さんがまた絡んできた。ことのいきさつを説明する。
「いまどきの警察の方は、親切ですよね!送迎やら防犯の手ほどきまで」
そういうと宇随さんと玄弥さんが驚いた顔に。
煉獄さんも固まっている。
「マジかよ、タケ本当にそう思ってんのかぁ?」
「・・・・そうなんすよね。。兄貴が不憫で。」
「む!?なんのことだ!?よくわからないが不死川は親切なやつだ!」
宇随さんが額に手をおいてなんかぶつぶつ言ってる。
「不死川が不憫になってきたぜ…タケ、まぁ飲めや。おごるぜ」
そういってビールを注いでくれた。断る理由もなく。
みんなでわいわいする雰囲気が久しぶりでとっても楽しくてつい私も飲んじゃおう!
密璃さんと小芭内さんも早々のれんを下げて混じってきた。
「私たちも今日は飲んじゃうわぁ〜!」
「わああ密璃さん、嬉しいですー!」
密璃さんはしゃべりやすくてすごく好き。
二人混じってさらに盛り上がってきた。
「かわいそうな不死川にかんぱーい!」
「「「カンパーイ!」」」
出張が大変ですもんね!かわいそう!というとみんなドっと笑ってた。
なんでかな?
「おもしれぇからみんなで写真撮ろうぜ〜」
「うむ!いい考えだ!千寿郎にもみせたい!」
ほらほら、と真ん中に座らされ、隣には煉獄さんと宇随さん。
あわわ肩を組んできた!ち、近い!でも嫌じゃない!イケメンだから?
何枚か撮ってみんなでわいわいみている。
「あいつに送っちゃおーっと」
そう宇随さんが言ってるのも知らず、皆で連絡先を交換した。
密璃さんの連絡先嬉しい!
玄弥さんも、お世話になったし仲良くなったから知れて良かった!
後ほど写メが送られてきた。
セルフタイマーで撮られた写真は皆とてもいい顔をしていた。
(楽しかったなぁ〜)
帰りは小芭内さんの車で皆送ってもらった。
吐いたら殺す、とずっとブツブツ言っていた!でも、運転はとっても丁寧だったなぁ。
煉獄さんと玄弥さんは潰れていた。
****
家について携帯をみたら一件着信が。
不死川さんだ、折り返しかけるとすぐ出た。
「もしもし」
「…おう。帰ってきたのか?」
「はい!もう家です!色々とありがとうございました!玄弥さんが良くしてくださって、危険なこともなく過ごしています!今日なんてさっきまで皆でワイワイして、楽しくて。。」
と珍しくスラスラと話せている。ほろ酔いだからかな?
「そうかよ」
そういっていきなり切られた電話。
あれ?切れた?もしもーし!!
やっぱり切れてる。
怒ってた?疲れてたかな…
用件はなんだったんだろう。。
帰りついたかってことかな?
てかなんで外に出てたのか知ってるんだろう!どっかでみられてる?
まさかね。。今日まで出張先だもんね。
謎めいた電話にはてなマークが浮かんだけどもう、眠気が限界。
明日帰ってきてたらお礼言おう。
うとうととしながらすぐに眠りについた。
酔いがさめて改めて見た写真。
楽しかったのを思い出してにやにやしちゃう。
その写真を宇随さんがメッセージ付きで不死川さんに送っていたとは知る由もない。
【弟とタケ、仲良さげよなぁ〜】
なんて。
End
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