「じゃぁ玄弥に頼めばいいだろ」
なんでそんなに言っちまったんだ…。。
そもそも俺は何にイラついてんだ?自分でもわけわかんねェ。
忙しい、だなんてただの言い訳だ。
はァーとガラにもなくため息をつく。
後悔してももう遅い。
気になりますよお隣さん 14⁺
あいつが、タケが玄弥玄弥っていうからよ。玄弥の方がいいって思うじゃねェか。べた褒めだったしよ。
そしたらクッソ腹立ってきた。
玄弥にじゃなくてタケに。
いつのまにか名前で呼んでるよォ…
俺の方が先に会ってんのになんで俺は不死川さんなんだよ。
意味わかんねェ。
(それは名乗ってないからですよ!!!)
とどこからかツッコミが来そうだけどそんなことも忘れている不死川実弥はとても不機嫌だった。
謎のむしゃくしゃをかき消すように仕事に没頭した。タケのことは玄弥に頼んだ。
「てめェ断ったらどうなるかわかってんだろうな」と、電話口で言うと、見えないのに凄く嫌そうなオーラだったが有無を言わさなかった。
一応、心配だしな。一応な、一応。仕事だ。
ふと携帯を見ると伊黒からメッセージが来ている。
【話がある】
ほお。珍しい。
立て込んでいた仕事あるからな、と数日後に定食屋に向かった。
タケと行った以来だ。
****
「きたわ〜!不死川さん!」
「おー。」
「やっと来たな、何故すぐ来ない。」
「忙しかったんだよ…で、話ってなんだ」
暖簾をおろして奥の座敷に通された。
ああ、ここはタケが煉獄や宇随たちと写真を撮っていたところ。
思い出したら胸糞悪ィ。肩なんか組んでよ。男が苦手なんじゃねェのかよ。
「タケちゃんとは会ってるの〜?」
「あ”?会ってねェよ。」
「お前があいつのストーカーの警護をしていたんじゃなかったのか?もう犯人は捕まえたのか。」
「あいつのことは今玄弥に頼んでんだよ。」
「何故弟に託している。お前がするんじゃなかったのか?何かあったら連絡しろといったのはお前だったはずだが。」
そう真っすぐ見てくる伊黒をみてバツが悪くなった。伊黒は核心をついてくる。
確かに言い出したのは俺だ。防犯グッズだって、渋るタケを強引に持たせたような
ものだ。
「あいつは玄弥の方が良いんだとよ。見ただろ、お前たちも。タケの楽しそうな顔をよ。」
出された冷ややっこつまみながら話す。
「それはお酒も飲んで楽しかっただけだわよ〜!」
甘露寺がそう言うけどそうは見えなかった。宇随からもクッソ腹立つメールがきたしよォ。
「俺といても緊張してるだけだしよ。玄弥のことは名前で呼んでるし、あいつには玄弥が合ってんだよ。」
ムカつくけどな。そう言って出された料理をつまむ。さすが伊黒。この牛筋煮込みも染みている。
何も言わない二人はあんぐりと口が開いている。そしてコソコソ奥に入っていった。
((タケちゃんが弟さんを名前で呼んでいて嫉妬ていたのよ!))
((不死川も疎すぎるな。何故気づかない!タケも恋愛に関しては疎そうだしな。。))
((どうしましょう、私たちが二人の間を取り持つしかないわ!))
((…俺は自身がない。恋愛なんて、密璃しか見てなかったから。他がどうかとかわからないからできるはずがない。))
((!!!たたた確かに私も小芭内さん一筋だから誰かにアドバイスできるほど経験はないわ…))
((余計なことをするとこじれそうだから二人に任せた方がいいと俺は思う))
((そうするわ!それにしても二人とももどかしいわ!昔の私たちみたい!))
「おいこら二人でイチャイチャすんなァ。」
そそくさと戻って来やがった。照れ照れしやがって。
「それよりも気になることがあるんだけど、不死川さんはタケちゃんから手紙のことは聞いたの?」
「そもそも会ってないから何も知らないぜ。」
「それが…」
と、甘露寺が話だそうとしたとき
「こんばんは〜!!」
「あら?この声はカナエちゃん?」
「暖簾下がってたけどごめんね〜!有名なケーキを買ったからお裾分け〜!」
「まぁあ!」
パァアアと明るくなる甘露寺。昔から甘いものには目がない。
「胡蝶か…」
「手紙ってなんだァ」
伊黒に話をふると、胡蝶が入ってきた。
「あらあら不死川君もいたの!久しぶりね〜!」
「おー、変わりねェか」
「話したいのは山々なんだけど、今日は帰らなきゃいけなくて。また今度」
「一人かァ」
「しのぶは今日はデートなのよ!冨岡さんと〜!」
キャーッと女二人で盛り上がってる。男には理解できない。
「送る。最近物騒だしなァ」
「いいの?じゃぁおしゃべりしながら帰りましょうか」
「伊黒、また今度来る」
結局話しは聞けず、お金だけ置いて胡蝶と店を後にした。
****
「学生のとき依頼だね」
「そうだな」
「相変わらず傷だらけだね」
そう言っていつも悲しそうな表情をする。
「別にどうってことねェ」
「少しは自分を労わってね。」
くすくすと笑う彼女をみると何故か懐かしい気持ちになる。
昔もそんなことを話しながらよく歩いていた。
「あ、あの子」
ふと足がとまった先にいたのはタケだった。
久しぶりに見たタケは疲れてるようだ。
「顔色悪そうだけど、大丈夫かしら…」
なんであいつ一人でいんだよ。玄弥は何してんだ?
「チッ…」
「私、一人で帰れますよ〜?」
「いや、いい。あいつには玄弥がいる」
ふと、こっちを向いた。
目が合ったけどあいつは足早に歩いて行った。
「ふふふ、不死川君。今も昔も変わりませんね」
「あ”?何がだ」
「素直じゃないところが」
そういうと胡蝶はぐっと袖を引っ張って、じっと見てきた。
「今日は私を送ってくれるんでしょう?」
そう見つめてくる胡蝶に何も言えない自分がいた。
早々に送り届けたあと、またあいつを見たところに戻ったけどもう居なかった。
帰り着いたか?無事なのか?玄弥はどうした?
色々疑問はあったものの聞けるはずがない。
玄弥にすぐ電話をすると、諸々断られたから今は送迎はしていないらしい。
「ああ”?てめェなんで勝手しやがる」
「兄貴には絶対言わないでって言われたんだよ」
「じゃァどうすんだよ」
「気になるなら兄貴がどうにかしろよ!じゃ」
「な”!」
ブツッと切れた電話をみて腹が立った。あいついつのまに生意気になったんだァ…
連絡帳のタケのところを見つける。
伊黒の言っていたことも気になるが…
どうしてこんなにあいつのことが気になるんだ?自分が自分じゃねぇみたいだ。
「あーー…クソッ。。」
じっと携帯をみるも、それでもかけられずに眠りについた。
End
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