やってやろうじゃないの。
この時の私は今で思えば頭がおかしかったかもしれない。
冷静になれば犯人にボールだけで立ち向かおうとしている。
それでもこの嫌がらせをしてくるあいつに、一言いってやりたかった。




 隣のお巡りさん  16  





公園につくと、フードをかぶった男の人がいた。

「ほんとに来たんだね…嬉しいよ」

じりじり寄ってくるやつを睨みつける。

「なんでこんなことするんですか?私があなたに何をしたっていうの」


「そんなことより、ヤらせてくれるんだろ…?」



「え?」


そういってポッケから取り出した下着。あ、あれは前私が取られたやつだ。


「こぉんな可愛いの履いてるんだね」


心なしか息の上がった犯人。
上背が今までと違うようなのは気のせいだろうか。

動揺してると近づいてきた。足ガクガク。やばい、逃げないと。
震える手で携帯を掴んでいる。
すぐ通報できるようにしてるのにうまく指先が動かない。
そうだ、防犯キーホルダー。鳴らさないと!
咄嗟に携帯を落として慌ててキーホルダーを見つける。
それにボールも握りしめた。


「誘ってきたのは君だろ?」

そういって服に手をかけられた。



「た、…助けて…実弥さ、、…」




「「「「何をしている!!!!」」」



「「「「ビーーーーーーーービーーーーーー!」」」



けたたましく鳴り響いた防犯ブザーとともにそこに現れたのは
耳がキーーーンとなりそうな大きな声。


「煉獄さん!?なんでここに」



すると犯人は、話が違う、、と言い放って逃げ出した。
私はへたっと地面に座ってしまう。


「久しいな!だが、話している暇はない。そのボールを貸してくれ」




そういってボールを取り上げると凄い剛速球で逃げ去る犯人に投げた。




「俺はジョギングがてら、あいつを捕まえに行く」



そういって頭にポンと手を置いて凄い早さでいなくなった。
笑っていたけど目は怖かった。




「「タケ!!!!!!!」」




遠くから名前を呼ぶ声に少し懐かしい。あの声。
ああ、安心する。



「実弥さん…!!」




血相変えて走ってきた実弥さん。近くに寄るとかなり息切れしている。




「お前バカか!!!なんで公園に行った!!!」


顔みたら、安心して涙出てきそう。あ、やばい。



「ご、ごめんなさ」

ごめんなさい、ごめんなさいと号泣してしまう。
怖かった。めちゃくちゃ怖かった。
わんわんと涙が止まらない。


「あんま心配かけんなァ…」


消え入りそうな声で耳元で言ってきた一言。



そういってぎゅっと抱きしめてくれた。







心臓が止まるかと思った。
いろんな意味で。





パッと顔を見るけど、涙で実弥さんの顔はよく見えず。
また迷惑かけたという申し訳なさ。







名前を何度も呼ばれるも、恐怖と安堵感からか、そのまま意識を手放した。





End





小説トップ


top