携帯の連絡に気づいたのは朝だった。
どうやら一晩中寝ていたらしい。
【大丈夫か】
実弥さんから連絡が入っている。
すみません、今大丈夫じゃないんです。
起きたら汗びっしょり。ベタつく体にたまらずシャワーを浴びる。
じいーっと携帯をみてにらめっこ。
まだ寝てるかもしれないし、返信しないでおこう。
そっと携帯を閉じた瞬間、
ピコン
またメールが。
【今日、会えるか?】
隣のお巡りさん 19
「きょきょきょう!?」
思わず素っ頓狂な声がでた。自分でも驚くくらいの。
何か事情聴取かな?それはあるかもしれない。
昨日の今日だ。きっとそれだ。
でも、風邪ひいてるしなぁ…少しなら良いだろうか?マスクして。
実弥さんも仕事だから早めがいいよね…
ドライヤーかけながら、
【少しなら大丈夫です】
と打った。するとすぐ返信が。
【何時が良い】
あ、急いでるのかも。
【いつでもいいです】
とりあえず返信。。
こんな朝には来ないだろうし、早くても9時とかでしょう。
ざっと片づけて、お湯をわかした。
薬も一緒に飲もう、水を準備したその時だった。
「「ピンポーン」」
え?
いやいやいや。えええ?
思わず覗き穴を見ると実弥さんがたっている。
まさかの今ですか!いや、私もいつでもいいと言ったけど!
どうしよう、私風呂あがりだしスウェットに短パン…
あたふたしてると
「おい、寝てんのかァ?」
寝てたらどんなに良かったことか!!
狸寝入りもできない時間差に、完敗。
もうこうなったら開けるしかない。
いつもの姿見を見つめる。
うわぁ…少しくらい化粧したかった。しかもメガネ。初めて見せるなぁ。、
マスクしておずおずと開ける
「お、おはようございます。」
「・・・・あ“?声枯れてんじゃねェか」
「散らかってますが、どうぞ」
といって部屋用のスリッパをだした。あ、来客用でだしたけど、足入るかな?
「バッ、!てめェ男簡単に入れるな」
顔赤い?なんでかな?
入らないならどうしてきたんでしょう。立ち話のつもりだったのかな?
きょとんとする私と黙ってる実弥さん。
少しの間があく。
「事件の詳細のことなんだが、」
「じゃぁうちでいいですよ〜」
「だからそう簡単に…」
「実弥さんならいいんです。お巡りさんだし!」
そういうと思いっきりイラついてる。
「…チっ…」
あ!あがる側なのに舌打ちですか!もう!
「さっさと終わらせるからよ」
玄関先で靴を並べる実弥さんはちょこっと新鮮だった。
「コーヒーでいいですか?」
リビングのソファに座ってもらったけど、汚れてないかな。。コロコロとかすればよかった。。
「……お前、風邪ひいてんのか?」
あ、机に薬出しっぱなしだった。
明日仕事だから早く飲まないと!
「ちょっとですよ、熱も下がってきたし」
するとズカズカと近寄ってきた。
「熱あんじゃねェか…」
額に手をガッと当ててきた。
あいた、と呟く。
ちょっと乱暴に。でも、前触れもないのでびっくりして心臓が飛び出そう。そして近い。
「ここここんなの熱のうちに入らな…」
あわあわと返答するも黙ってる。
「待ってろォ…」
一旦でていってすぐ戻ってきた実弥さんは、ミネラルウォーターと果物を少し持ってきてくれた。
「ほらよ」
果物とか食べるんですね!
ちょっと以外!じゃなくて、
「とんでもないです!受け取れません」
「話は治ってからだ。」
ゆっくり休め、と顔を覗き込んできた。ほんと、不意打ちで、顔が近くて。
普段はちょっと強面なのに急に優しい顔になる。ギャップが凄くて苦しい。
マスクしててほんとよかった。
私、今どんな顔してるの…
「じゃあな」
ポンポンと頭を撫でて出ていった。心地いい距離感に心がふわふわしそう。
(顔が、熱い)
これも全部熱のせい。
End
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