少し冷える夜の公園は目の前のお巡りさんと私だけ。
ベンチでお酒もってはしゃいでた大学生らしき集団もいつの間にか居なくなっていた。
(ああ、そうか…)
ある意味安心、の意味がわかった。この人は紛れもないお巡りさん。
隣のお巡りさん 03
「お前は、隣の…」
しゃがみこんだ私に目線を合わせて覗き込んできた。やっと私に気づいたみたい。
「あの、すみません、えと」
「気分でも悪ィのかァ…」
後ろの月に照らされて、ああこの人はこんな顔をしてたのか、と思った。
この前はほろ酔いで、あまりよく覚えてない。
「血相変えて走ってるのを見かけてなァ、気になって追いかけた」
追いかけてたのはこの人だったのか!良かった…
「気分は、大丈夫です、ありがとうございます」
「立てるかァ」
立ち上がる時に手を貸してくれた。その力強さに安堵するのと、ほんの少しの恐怖心
「足、怪我してんじゃねェか」
「あ…」
どっかで切ったかな?うっすらと滲む血に今更痛みが増してきた。
「これくらいどうってことないです!」
またヒールを履くと傷にあたってちょっと痛い。でも我慢できないほどでもない。
家につけばなんとかなる。
「ほらよ」
そういって渡してきた絆創膏。見た目によらずとはこのこと!?
「あ、ありがとうございます」
恐る恐る差し出された絆創膏を受け取る。
「仕事柄持ってんだよ」
あ、ばれてた。私の心の中。
「巡回してるから家まで送る」
そういって目の前のパトカーに連行される。
「へっ?パトカー??!」
「しょうがねェだろォ 仕事中なんだからよ」
初めて乗ったパトカーは意外と綺麗に掃除されていた。意外とって失礼な!このお隣さんにどんなイメージを抱いていたかと思うと反省した。ヤクザ?とか、いろいろと疑って本当にすみません。。
お巡りさんだったんですね。
きょろきょろと中を見渡す。パトカーってこんなになってるんだ!
「絆創膏貼ってやろうかァ」
「じ!!自分で貼れます!!」
「そうかァ」
くつくつと笑うその横顔にとても驚いた。とても大人びているかと思いきや笑った顔は少し、少年のようだった。
私の心は少しの恐怖心もなかったような、気がする。
****
「ありがとうございました」
「おー」
そういって深々とお礼をした。家の前までパトカーで送ってもらえるなんて貴重な経験をした!ちょっとだけ楽しかった。
車の中は人見知り炸裂で沈黙だったけど…
すると、窓が開いて、彼はこう言った。
「なんかあったら言えよォ」
返事をする暇もなくそのまま走り去って行った。
強面のお隣さんは実はお巡りさんでした、
(そりゃ安心だわな!)
妙に納得した!!これで私の一人暮らしは安泰だ!と部屋に入る。
怖かったことよりも予想外のことのほうがありすぎてそのまま深い眠りについた。
(親切なお巡りさんだなぁ〜)
End
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