ドアノブに掛けてあったハンカチ。パトカーに落としたんだろう。
忘れ物、とだけ付箋紙に書かれて貼られてた。本当に、見た目よりマメだな?とお隣さんには驚きっぱなし。何度も見た目より、といってごめんなさい…
今度会ったらちゃんとお礼言おう。
隣のお巡りさん 04
それから数日たったけど、お隣さんと出くわすことはなかった。綺麗に折りたたまれたハンカチは、なんとなく使えなくて、そのまま置いてある。
ふと見るたびに思い出してしまう。
「今日もベランダ酒するか!」
きまって金曜の夜は晩酌をすることにしている。お外用の簡易的な椅子も買ったんだもんね〜。外の空気とお酒最高!
今日はビールを持って、甘いものもっていざ出陣
「「「あ」」」
外に出ると何やら人の気配、横を見ると先客が。
「こ、こんばんは」
「おー」
タバコでも吸ってるのかな?横目で見るけど何も持っていない。
「あの!この前はありがとうございました」
「別にたいしたことねェ」
「本当に、困ってたものですから…」
しばしの沈黙。何か、何かしゃべらなきゃ
「そうだ!これどうぞ!ビールですが、飲みませんか?ハンカチのお礼もかねて」
「ああ“?・・・・・明日早ェんだよ。」
「お巡りさんですもんね、すみません」
しょぼんとしてしまった。でも飲酒運転で捕まったらだめだもんね。
「…・・・お前、困りごとあるんじゃねェか?」
ドキッした。こっちを真っすぐ見ている。
「あの、、、えっと…たいしたことじゃなくて…」
話すべきか、でもこの人たちはもっともっと凄い事件や事故を相手に仕事してる。
ただのストーカーまがいなトラブルなだけだし、そんなことと思われたくない。
一度は警察に行った。
でも、そこまで相手にされなかった。だから諦めた、そこまでの案件なんだろうと思う。
「無理にとは言わねェけど」
でも、この前のあの顔は絶対あいつだった。
どうしよう、話してでも違ったら?迷惑かけないかな?
「なんだよその百面相。話づれェことか?」」
「いや、それが…」
誘導されるまま話してしまった
ストーカーにあったこと。男性恐怖症であること。引っ越してきたこと。警察にも一度相談したこと。犯人は多分お隣さんだったと思う、と。似てる人を見かけたということ。
「・・・・こんなこと、たいしたことじゃ」
慌ててそっちをみると目を見開いてイラッとした顔だ。眉毛がハの字。
ああ、やっぱり怒らせてしまった。こんなたいしたことない話に。
「はァァ…あのなァ、たいしたことじゃねェか」
溜息をついて手すりにうなだれる。頭をガシガシと掻いて、また溜息をついていた。
「それで血相変えて走ってたってわけか」
何やら考察している。でももう会わなければ終わったことだし!
しばらくすると部屋に入って行ってまた戻ってきた。
「おらよ。なんかあったら連絡しろ」
「へ!?」
ぶっきらぼうに書きなぐられた携帯番号。
「この辺の巡回担当だからな。」
「い、いいんでしょうか…」
素直に受け取ったものの、ありがたい。怖いときは連絡すればいい。
もしあいつだった時はすぐに連絡しよう
「お巡りさん、ご迷惑かけてすみません…」
「不死川。」
「し、不死川さん、というんですね!私は、、」
「知ってる」
「へ!?!?」
「お巡りだからなァ」
なんだそれ!警察はなんでもお見通しなのか!
そう言ってまたくつくつと笑っていた。仕事の話の時とのギャップについていけない。
ああ、なんかくらくらする。
「相談料。」
そういって彼は椅子の上に置いてあったお菓子を指した。
相談料とるんですか!
甘いもの好きなんですね。意外です。
「今の誘導尋問ってやつですか?」
「バカかお前。」
End
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