「マツ改めて不死川タケになりました。よろしくお願いします!」
職場で朝のミーティングで発表して、ちらほら御祝いの言葉が咲く。
首から下げられてるネームは綺麗に"不死川"と印字されていて、見るたびに浮き足だってしまいそうだった。
旦那さんどんな人なのー?
出会いは?
仕事なにしてる人ー?
と質問責めにあったけど、それも今は心地よい。だってかっこいい実弥さんのこと自慢したい。ちょっとでも。
我ながら好きすぎる、と苦笑いしてしまう。
帰省事件から私たちは晴れて入籍した。
旦那のお巡りさん
その後の私たちはお互いの仕事をしつつ、実弥さんの部屋へお引っ越しする荷造りをしている。
といってもお隣だからちょこちょこ荷物運ぶだけなんだけど!
だいたい大きいものは不死川さんの家のものを使うことにしてあとは私の服とかの整理だけ。
今着るものと着ないものを分けている。
「これは結構着てるよね…これは…?」
はた、とクローゼットの奥からでてきたTシャツに手が止まる。
これは、、紛れもない元彼のだ。
恥ずかしい。
未練がましくここまで持ってきていたなんて!
でもこの生地、着心地最高なんだよね。
あるよね?着やすくて着てる部屋着って!
XLだし、いっか!
そう思って着る予定の荷物のなかに放り込んだ。
そう。
これが過ちだった。
※※※※※
「ここでいいかァ?」
「ありがとうございます!そこに置いててください!」
私がまとめたものを実弥さんが運んで、その荷解きをする。
たくさん運ばれてきた服の山を季節ごとにわけて片付けている最中だった。
気づきもしなかったあの、Tシャツを実弥さんが掴んでいるではないですか。
どっと汗がでる。
やばい。
「そ、それは!」
気づいて返して貰おうと向かうも時既に遅し。しっかり掴んでいる。
タグをみて…ああ、サイズが…
「…タケ…男もんじゃねェか…」
そうなんです、そうなんですけど!
「違うんです!いや違わないけど聞いてください!」
「説明して貰おうかァ…」
殺気だつ実弥さんを目の前にじりじりと詰め寄られて後ろには逃げられない。
「すみません着心地が最高で…元彼のなんですけど…ごめんなさいつい。。この生地が好きなんです…」
「…………」
無言ですか!逆に怖い!
「あの!忘れられないとかそういった意味で持ってきたんじゃないです本当に!ここには!」
「ここには、ってことはタケの部屋に越すときは未練あったってことかァ…?」
図星!さすが誘導尋問のスペシャリスト!
じゃなくて!!
「うう…すみません…付き合ってから一度も着てないですし…今は実弥さんが一番なので…これ捨てます…」
そうだよね。
私も元カノの持ってたら嫌だ。
「ごめんなさい。」
謝ると後ろを壁にキスされた。
長い長いキスを。
「ーーーんぅーーっ…!」
やっとかっと離してくれたと思ったら耳元に顔を突っ伏された。髪がくすぐったい。
「タケの初めてになりたかったぜ。」
何もかもな、と言われるとまた優しいキスがふってくる。
私だって実弥さんの、色々な初めてに興味ありますよ?
「同じ生地のを買ってやらァ…。苛つくから別のデザインのを選んでやる。だからこれは捨てるぜ?」
そういって有無を言わさずゴミ箱行き。
ぽいっと投げ込まれた。
サヨナラ。
するとそのまま私のTシャツに手を掛けて無理やり脱がされた。
「キャァァ!!何するんですか!!」
下着になった私に部屋から持ってきた実弥さんのTシャツを渡される。
「俺の着てろ。」
今着替える意味ある?と問いたいけど言い返されそうだから黙っておきます。
私のかっこよくて、ちょっと嫉妬深いところが可愛い愛しい旦那様。
「えへへ…実弥さんの匂いだ…」
昔から落ち着くにおいに癒されつつも、荷解き頑張ろう!
「あ゛ー…今すぐ抱きてェ、、…」
「こら。」
ギラギラとした狼のような視線に
今日も今日とてノックアウトです。
新婚生活始まったばかり
心臓もつかな?
end
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