「実弥さんからどうぞ…」
「チッ…さっきから言ってるだろうがァ…タケが先だ」
「だって私より実弥さんの方が疲れてますし!」
「関係ねェ…」
ただいま私たちは夕食を終えて皿洗いがすんだところだ。
いつもご飯のあとに風呂にするんだけども、 決まってどちらが先にお風呂に入るか揉める。
私は毎日外回りとか大変な事故の処理に終われて帰ってくる実弥さんに一番風呂でゆーっくり浸かってほしいと思ってる。
なのに実弥さんも実弥さんで、譲らない。
お互いがお互いを想ってのこと、とはわかるんだけど。
いつまでこの押し問答が続くの!
2人の新婚生活、始まったばかり。
旦那さんとお風呂
「私より実弥さんのほうが何百倍も大変なんです!日々、人々のために駆け回ってるお巡りさんなんですよ!一番風呂は実弥さんで決まりです!」
ビシッと指をたてて説明する。
これ完璧な理由でしょ!
「タケだって毎日働いてんだろ?同じだ」
「尊さが違うんです!」
尊さ?何いってんだ私と自分で思いながらも両者一歩も譲らず。
お互い少し頑固なところがあるようだ。
「毎日大変なお仕事して帰ってきてるんです。家ではゆっくりリフレッシュしてほしいんです。だから、焚きたての綺麗な湯船でゆっくりしてほしいです…!」
どうぞ…!とふかふかのバスタオルを差し出してみる。
もうこれで実弥さんは折れてくれたであろう。
「しょーがねェな。」
はぁ…と小さいため息ついてタオルを受け取った、と思った。
ぐいっと手を引かれてたくましい実弥さんの胸にあたる私の額。
「じゃ、一緒にどうだ?」
一瞬何を言ってるのかわかない。
一緒に?何を?
「へ?」
「とぼけたって無駄だぜ…?リフレッシュ…させてくれんだろ…?」
最後の足掻きで抵抗しても叶うことなく。
風呂場に強制連行された。
「わわわわかりましたその代わり私から先に入らせてください!」
※※※※※
わしゃわしゃと念入りに洗う。
そりゃくまなく、そしてトロミ系の入浴剤を入れてフィニッシュ。
これで見えないはずだ
するとほどなくして実弥さんが入ってきた。
「なんだァ…その入浴剤」
「いい匂いなんでいれてみました」
そんな苦しい言い訳もくつくつと笑われてる。チラリと横でみるとまだ見慣れない実弥さんの体が嫌でも視界に入る。
筋肉があるのに細身で、生傷が痛々しい。
男らしくて、かっこよくて。
(あーーもう心臓に悪い!)
決して広くはない浴室に響き渡る低音ボイス。シャワーで髪の毛を洗って髪の毛をかき上げるその様はほんと罪だ。
かっこよすぎる。
雫が滴ってて色気倍増。
「癒してくれんだろォ…?」
2人入るには狭めの浴槽に入ってきた。
対面が恥ずかしすぎて必然的に後ろを向いた。実弥さんの足の間に座ってる、んだけど。
「どう癒せばいいのか…」
「……いるだけで充分だ」
そんな事を耳元で言うもんだからきっと頭の上から足の先まで真っ赤だろう。
「ひゃっ…!」
後ろから耳を噛まれた。
カプカプと噛んだり触られたりする手に、吐息にいちいち反応してしまう
「うーー…意地悪だ…」
天井から水滴が落ちる音まで鮮明に聞こえる。
それくらい響き渡る浴室に、自分のあられもない声まで響いて嫌になる。
「……可愛い、食っちまいたい」
そんな甘いことばっかり言うから。
意地悪してもすぐ、許してしまう。
やわやわと触ってくる手先が敏感なところに差し掛かろうとした瞬間
私はのぼせて目がぐるぐるまわっていた。
うっすらと気がづいた。
目の前には天井との間にニヤニヤしてる実弥さん。
気づけばクーラーのきいたソファーの部屋。
なななんと実弥さんの膝枕。
冷えピタ、うちわでそよ風まで。
「実弥さん?!」
「のぼせたな、悪かった」
悪かったと言ってる割には反省してないような声色。
「……もー…。」
着ているのは下着とダボついたTシャツのみ。
実弥さんのだなこれ。
「お風呂恥ずかしすぎました。」
「おー、俺も割りと余裕なかった」
そういって冷蔵庫からポカリをもってきてくれた。
スーッと体に染み込む。おいしい。
「今度温泉でもいくかァ…?」
「いやです!」
真っ赤な私を抱えて寝室へと向かう。
実弥さんとの生活は
ずっとずーっと甘い。
(あのまま寝たふりするべきでした…!膝枕が固くて起きちゃいました)
(ほォ…てめェ…今から覚悟しろよ)
(筋肉質って意味でですよ!男らしくて)
その後 ぐずぐずに愛された。
end
祝10000打!🎉
いつもありがとうございます!
感謝💓
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