ひょんなことから電話番号に登録された「不死川」の文字。これに連絡をすることのないように、十分に気をつけなきゃ!そう意気込んで家を出た。
隣のお巡りさん 05
「あ、おはようございます」
「おー」
あれから不死川さんとはゴミ出しの日とか、たまに見かけるようになった。
挨拶だけだったのがだんだんと、元気かァ、変わりねェか、と会話するようになった。
(といってもちょっとだけど)
最初の印象からするとだいぶ変わっている。
多くは語らないけどさりげなく気にかけてくれるところとか。
面倒見がいいこととか。
彼はその強面に限らず私服からチラッと見える腕や足は傷だらけで心配するけど、
聞けばたいしたことないという。
いや、それだけの傷、よっぽど苦労されたんだと思います。訓練とか、大変そうだもんね。。
今後は怪我とかしませんように、、、。
なぜか彼の安否を気にするようになっていた。
少しずつ関わるうちに男性恐怖症もなくなってきたような気がする。
(お巡りさんだからかな?割と話せる)
不死川さん限定かもしれないけど、、。
「昨日の事件は大変だったんじゃないですか?」
「あれは最悪だったぜェ」
ここ都会ではいろんな事件が起きる。万引き、失踪、交通事故に様々。テレビでみる事件に関わっている時もあるみたいで、その時はより一層疲れているようにみえる。
(カップ麺ばっかり)
燃えるゴミの日にチラッとみえた、インスタント食品の空。
忙しくて作ってないのかも。何か作っていってあげようかな…
(いやいやいや何言ってるの私!!!)
でも食べれてないなら体壊すし、、私もそうだったから。
悩んで食べられなくて、どんどん悪くなった。
そうと決まれば早い!作ろう!何かを、嫌がれたら捨ててもらえばいい!
いそいそと買い出しに向かうその足取りは何故か暖かい気持ちになっていた。
彼は強面だけど何故か断らない気がした。強面だけど!
***
タイミングよくベランダ酒の金曜日に出てきた。やはり少しお疲れ気味な気がする。
「あの、よかったら食べませんか?作りすぎたので。。」
と嘘をついてタッパーを差し出す。中身は煮物とあん団子。謎な組み合わせだけど。
田舎育ちですから煮物は得意でして。あんこはこの前相談料としてとられた和菓子を嬉しそうにもらっていたから。あんこが好きと踏んで。違ったらどうしよう、
「くれんのかァ…」
「最近お疲れのようだったので、おかずと団子を」
そういうと目の前で開けて、ひとつ頬張る。団子のほうを。
「・・・・」
「ど、、うですか?あの不味かったら捨て」
「ありがとなァ」
どうやら団子は正解だったらしい。ちょっと嬉しそうだ。
よかった、作って。煮物はわからないけど勝手にするだろう。
「料理されるんですか?昔、隣からいい匂いがしてきたから」
「あれは…」
あれは
「なんでもねェよ」
なんでもない。
そうだ、私なんて、なんでもないんだ。
そう答える彼をみて少し心がズキズキした。
End
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