最近隣が騒がしい。引っ越してきたのだろうか?
角部屋で静かに暮らしてたのによ…。ま、会うこともねェだろうし。
長期の捜査が終わり、やっと帰ってきた我が家。ずっと外食ばかりだったからたまには作らないとと、ガラにもなくスーパーに寄って帰宅した。
初めまして、お隣さん 05⁺
少し寒い夜にこうやって外の空気を吸うのも悪くない。
あと少しで作っていた料理も終わる。
それにしてもあの部下クッソ腹立ったなァ…
むしゃくしゃとしていたから勢いよくベランダの窓が開いた。
「こ、こんばんは」
・・・
すると、いるはずもない方向から話しかけられた。
もしかして最近引っ越してきたやつか。まさかの女かよ…。。
チラッとみると、ほら。怯えている様子。
仕方がない。怖がられるのはいつものこと。
どうやら引っ越してきて菓子折りを渡すタイミングを逃したらしい。
今時引っ越し先の隣に持っていくか?田舎じゃあるまいし。
おたおたとしていたが、話すこともない。
タイムリミット。そろそろタイマーが鳴る。
そう思って部屋に入った。
どうせ今後会うこともないと思っていたが、すぐ出くわすことになる。
(あいつは、この前の…)
巡回中に目の前を走り去る女。
よく見ると裸足、顔は真っ青。
泣いている?ただ事じゃないことは確かだ。追いかけるとやっぱり先日引っ越してきた女だった。
話を聞くとストーカー被害に遭ったとか。
(俺の直轄地で問題がおこると後々面倒だしなァ…)
何かあったら連絡するだろう。
近くに交番がない時のほうが多い。
緊急性を要するからな…
取り返しがつかなかったらもう遅い。
そう思い無理やり連絡先を渡した。
***
(マツ、、、タケ…。あった。これか)
その日は交番が暇で本庁に勤務になっていた。交番でゆっくり仕事すんのが好きなんだが。
パラパラとファイルをめくる。
未曾有のデータの中にその名前が書いてある書類を見かけた。
(あいつ、タケって名前なのか…)
そこには無造作に書きなぐられた記録。
不振な視線、ドアノック、付きまとい、下着紛失
(おいおいおい、聞いてたやつよりもやべェやつなんじゃねェか?)
下着ドロとか最悪だ。さぞ怖かったろう。
怖がる様子が頭に浮かぶ。
(あいつ、ストーカーとしか言わなかったしなァ…。)
“犯人は隣人?”
最後にこう書かれていた。一応捜査をしたのか、数枚写真が貼られていた。
(こいつかァ…)
一応目を通してすぐその場を離れた。
それから数か月は全く何事もなかった。
たまに挨拶をするくらいだったのが、出くわすと少し話をするようになってきた。
まぁ、大層な話しでもない。
(もしこの前のやつが犯人なら、パトにビビッてるってところか?)
仕事をしながらもそんなことが頭をよぎる。
このまま何もなけりゃいいがな…。
日々の出来事はあまりにもめまぐるしく、時に疲れる。
(帰りてェ…)
そんなことを考えて毎日過ごしていた矢先、けたたましく携帯が鳴った。
画面には“マツ”の文字。
「…チッ…」
時刻は夜21時。
急いで外に出た。
End
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