目が覚めると外が明るんできてた。
朝が、来たんだ。
ひまわりに落ちる 17
杏寿郎の腕の重みがちょうどいい。
昨日はあの後気を失ったように寝てたから真っ裸のはずなのに、浴衣がぐるぐる私の体に巻かれていた。杏寿郎が巻いてくれたのか…
杏寿郎はまだ寝てるようだ。
いつも私の方が遅く起きるから、杏寿郎の寝顔って何だか新鮮。
頬をツンツンしたり髪の毛を触ったりしてみる。すると突然杏寿郎が抱きしめてきた。
「タケ…朝から何してるんだ。」
「あ、おこしちゃった?おはよう。」
「ああ…おはよう…身体は辛くないか?」
「うん。大丈夫だよ」
杏寿郎の寝起きの掠れ声とか初めて。
「ちょっと私お風呂入ってくるから腕離してほしいなー」
「あぁ、後少しこのままで…」
このままでって言ってたのに結局色んなところにキスをされる。
「タケ。好きだ。」
「私も好きよ、杏寿郎」
私の言葉を聞いて満足したのか「風呂に行っておいで」と腕を離してくれ、やっとお風呂に入ることができた。
私と入れ替わりでお風呂に入ってた杏寿郎が上がってきてすぐ、化粧をしている私に言ってきた。
「いつもタケはあのような下着をつけているのか?」
一瞬時が止まった。あのような下着、昨晩風呂上がりに着たのはこの前新調した総レース。
「あれは…いつもつけてないよ。この旅行のために買ったんだよ」
「よもや!!」
もしかして、いつもつけてると思われてたのか…
「そうだったのか…いつもつけてるのかと思ってヒヤッとしたぞ!いつ誰に見られるかわからないからな!」
「いや見られないから…」
なにを想像してるんだこの男は…
「もう今後着ることないかもしれないしね!」
「そんなこと言わないでくれ。また着てくれるのを楽しみにしている。」
「ほ…ほら、準備できたし朝ご飯行こう!」
そして、美味しい朝食も食べ、宿をチェックアウトした。
杏寿郎が運転する車に乗り込み、帰り道にアウトレットへ入った。
まずパンフレットをみてどの店に入るか決める。
「私結構行きたい店多いけど大丈夫?」
「問題ない!」
「なら気合入れていこう!」
手を繋いでお店を見て回る。
「杏寿郎スニーカー欲しいんだ。」
「ああ。昼休みに生徒や不死川たちとサッカーやバスケなどをしていてな。替えが欲しいと思っていたんだ。」
「元気だね。てか不死川くんとか生徒と運動コミュニケーション的なのとるんだね。」
「不死川はああ見えて…というと失礼だが面倒見がいい。シュートを外して生徒に馬鹿にされて本気になる、ということもあるんだ。冨岡も体育教師だからな。なんだかんだで混ざってプレーしている。」
「青春してるねぇ。」
キメ学って私たちが在学中から自由で先生たちとの壁もなかったけど、それって今もそうなんだ。
「あれ?煉獄さんにタケちゃん?」
「チッ…何でお前らここにいる。温泉に行ったんじゃないのか」
声をかけられてその方向を見てみると、伊黒くんと蜜璃ちゃんがそこにいた。
「あ、伊黒くんこの前ぶり。蜜璃ちゃん久しぶりー」
「もしかして2人でデート?私たちもなのよー!同じね!キュンキュンしちゃうわ〜!」
「そうなのデートなのよ!蜜璃ちゃん結構たくさん買い物したね!」
「伊黒さんが似合うっていうからたくさん洋服買っちゃったわ〜」
「いやーー!伊黒くん優しい!!」
「そんなことはない。甘露寺が可愛い。ただそれだけだ。では、行くぞ甘露寺。」
「はーい!じゃあね!煉獄さんにタケちゃん!」
嵐のように2人は去っていった。
「はあぁ蜜璃ちゃん相変わらず可愛かったわ…」
「俺はタケの方が可愛いと思うぞ!甘露寺は後輩というイメージしかないからな!」
「杏寿郎からしたらそうかもね!って…あ、ここの店に入りまーす」
行きたいお店も全部回り、買いたいものも買って2人して大満足で家に帰った。
槇寿郎さん、瑠火さん、千寿郎くんにたくさんのお土産を渡して、楽しい二日間は終わった。
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