『もう少しで着くよー!待っててね!』


ひまわりに落ちる 19


久しぶりの母校。
杏寿郎の職場。

「タケちゃーーん!お待たせ!」
「蜜璃ちゃん!行こう!」

蜜璃ちゃんと校門前で待ち合わせして学校内に入っていく。

「うわぁ〜!出店がいっぱいね!何食べようかしら〜」
「私はチョコバナナとたこ焼きかなー」
「よし!タケちゃん!全ての出店、片っ端から買いましょう〜!私食べるわ!」
「お、おう!じゃあ私はあっちから買ってくから、蜜璃ちゃんはこっちから買ってくれる?落ち合えばフルコンプだよ!」
「「よし、いくぞー!!!」」

2人意気込んで別れる。
端から買っていって両手両腕に食べ物を溢れさせて蜜璃ちゃんと落ち合う。

ベンチに座り、2人で手を合わせて食べる。
その時、ピコンと蜜璃ちゃんの携帯が鳴った。

「きゃ〜!!伊黒さんがね!今からこっちに来るって言ってるの!嬉しいわ〜!タケちゃん、私の格好へんじゃない?歯に青のりとかついてない?」
「変な所どこもないし、青のりもついてないよ。」

恋する女子だなぁ。

「甘露寺。マツ。」
「あ、伊黒さん!!きゃーーーー!!白衣だわーーー!」
「ほんとだ!白衣の伊黒くんってなんか新鮮。」
「ふん。どうとでも言え。甘露寺、君の好きなものをなんでも買ってあげよう。食べ足りないものとかないか?」
「えーと…うーん…フライドポテトとたこ焼きかしら…」
「よし。2人で買いに行くぞ。」

そうだよね。2人で少しでもまわりたいよね。

「でも…タケちゃんが1人になっちゃう…」
「いーよいーよ!私、千寿郎くんのクラスのところ行ってくるから2人で見て回っておいでー。」
「マツもこう言っている。甘露寺。」
「ならお言葉に甘えようかしら。タケちゃん、また連絡するわね!」
「行ってらっしゃい。」

2人並んで行ってしまった。
食べ終わった空き箱をゴミ箱に捨て、千寿郎くんのクラスに向かう。食べきれず、手をつけなかったベビーカステラの残りは袋に入れて持ち歩く。
千寿郎くんのクラスは「ケモ耳カフェ」らしい。猫耳やうさ耳を付けた生徒がドリンクを運んでくれるらしい。

「マツじゃねェか。来てたのかよ。」
「不死川くん。」
「今からどこか行くのかァ?」
「千寿郎くんのクラスに行こうと思って。」
「なら途中まで案内するぜ。」
「ありがとう。お願いします」

偶然会った不死川くんと並んで歩く。
なんか…不死川くんが通る道、生徒が避けて道が空いてる気がする…

「煉獄と良いようになったらしいな。よかったじゃねェか。」
「うん。おかげさまで。もしかして杏寿郎から色んなこと聞いたり…した…?」
「あァ。温泉行ったり毎晩話したりしてるんだろ?煉獄とても喜んでるし、お前と付き合い始めてから更に仕事にも励んでるんだぜ。」
「そっかぁ。そんな話が聞けてうれしいな。」
「あ、ここだぜ。千寿郎のクラス。まあ、楽しんでこいよ。」
「ありがとう!!」

不死川くんと別れ、千寿郎くんのクラスに入る。

「「いらっしゃいませー!」」という元気な声が聞こえてきた。中を見渡すとケモ耳つけてる千寿郎くんがいた。あれは…犬かな?

「姉上!いらっしゃいませ!おひとりですか?蜜璃さんは…?」
「蜜璃ちゃんはデートに行ったの。1人で入れるかな?てか千寿郎可愛すぎる…似合ってるよ!」
「えへへ。姉上にそう言われると恥ずかしいけど嬉しいです。こちらにどうぞ!ちょうど父上たちが来てるんです!」
「あ、ほんとだ。手招きしてる。あそこに座っても良い?」
「もちろんです!」

瑠火さん、槇寿郎さんと一緒に座り、アイスティーを頼む。
2人は千寿郎くんの接客してる様子を一眼レフと携帯で撮りまくっていた。
私も例に漏れず、写真で撮って杏寿郎に送った。

「そういえばタケさん。知ってますか?」
「ん?何がですか?」
「この後13時から、キメ学入学希望者対象に模擬授業があるらしく、杏寿郎と不死川さんが授業するみたいなのです。良ければ見に行きませんか?」
「行きます。むしろご一緒させてください。」

そんな事聞いてないよ。とうとう授業している杏寿郎みれるんだ…!瑠火さん達の情報網すごいな。
蜜璃ちゃんに授業を見に行く旨のメッセージを送り、授業の時間まで3人と時々千寿郎くんで談笑した。




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