ひまわりに落ちる 04  



「好きだ。この世界で一等タケのことを好いている。」




小さい頃から当たり前に隣にいたタケ。
実際千寿郎が生まれるまでは異性としてではなく妹という意識しかなかった。実際「妹分」として接していた。

それを一人の女の人として意識してしまうのは高校時代だった。クラスメイトの一人が「マツってすっげーかわいいよな。雰囲気もホンワカしてるし性格いいし他の女子に比べてスタイルもかなりいいし。」と言ってたのを聞いたのがきっかけだった。妹分と思っていたタケが俺以外の人から色眼鏡で見られるのがとても嫌で嫌で仕方なかった。

そうか。俺はタケのことが好きなのか。

好きだと気づいてしまったら、全てにおいて意識してしまうようになった。

朝食を一緒に食べるという事で他の人より優越感を感じた。
タケと話していると平常時より心拍が上がることに気づいた。
タケと他の男が話したりしているのを見ると嫉妬するようになった。


「タケに対してだけお前顔がとろけるよな。見てて派手にウケるわー」と宇髄、伊黒、不死川に気づかれ、それからずっとイジられている。(冨岡は気づいてるのかどうか知らないな!!)(とろけるとはなんだ!!)
隠していたつもりだったがダダ漏れだったらしい。よもや、タケにも気づかれてるのではとおもったが全くそんなそぶりはなかった。

当然大学も一緒の大学に行くものだと思っていたが、俺は教師になる為キメ学から附設の大学へ、タケはキメ学から私立女子大へ進学した。

それぞれ課題や実習があり、朝以外顔を合わす機会がぐっと減った。
もともと可愛い顔つきだったタケが化粧をしてさらに可愛くなった。

社会人になってもお互いの関係に進展はなかったが、俺の知らないところでタケは彼氏ができたらしい。
目の前が真っ暗になった。
そんな時、同じゼミだった女子に告白された。放心状態ながらも了承の旨の返事をした。けど、彼女とは何もなく、すぐに別れた。タケも同じタイミングで破局していた。
お互いに何もいうことなく、そのままいつも通りの日常を過ごしていた。

昨日は合コンだったと聞いた。
黒くドロドロした感情が俺の心の中を染めていった。二次会を断り、タケの腕を掴み、繁華街を抜けた先にあったのは男女がそういうことを行う場所。タケとそういう事をしたくないと言ったら嘘になる。したい。
理性と欲が渦巻く。

そういう事はちゃんと2人の関係性をハッキリさせてからするべきだと自分に言い聞かせ、理性が勝ってタクシーに乗り、家に帰ることができた。


そして今。
俺はとうとう自分の想いをタケに伝えた。
俺の隣に座り、突然の告白に唖然としているタケの両肩をつかみ、己の方に向ける。


「妹分でもなんでもない。1人の女性としてタケのことが好きなんだ。俺と、付き合ってくれ。」




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