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ひまわりに落ちた後のおはなし
「千寿郎くんいらっしゃい」
「姉上!2泊3日、お願いします!」
「千寿郎くんならいつまででもここにいていいのよ」
槇寿郎さんの会社の表彰式兼パーティーがあると言うことで夫婦同伴でそちらに参加するから千寿郎くんが2泊ウチに泊まりに来ることとなった。
「ここが千寿郎くんのお部屋だよ。足りないものがあればなんでも言ってね」
「なにからなにまですみません。学校も土日で休みだし、母上たちに俺もう中学生だから一人で2泊くらい大丈夫って言ったんですけど…」
「千寿郎くんなら一人でも生活できそうだけど…杏寿郎がとても心配しててね。せっかく隣に住んでるんだし、たまにはお泊まり会もいいんじゃない?」
「あ、ありがとうございます!でも…実は兄上と姉上と3人生活も楽しそうかなって少し思ってたんです。」
「ーー!!!千寿郎くん!!」
「あ、あああ姉上??!!」
少し恥ずかしそうに話す千寿郎くんが可愛すぎて思わず抱きしめてしまった。
「ただいま!って…二人して何してるんだ?」
「千寿郎くんへ『いらっしゃいませ』の意を込めてのハグだよ」
「それはいいな!よし、俺も混ぜてくれ!」
そして杏寿郎は私と千寿郎くんまとめてギュッと抱きしめてきた。
「あ、兄上、苦しいです」
「む、すまんすまん!!」
はたから見たら異様であろう光景に、でもこれが私たちだよねと心の中で言い訳をする。
「杏寿郎、そろそろご飯の準備しないとだから、離して?」
「わかった!!」
「俺も準備手伝います」
「ううん、もう少しでできるから…そうだ!杏寿郎と二人で先にお風呂入っておいでよ!」
「なら千寿郎!兄と一緒に風呂に入ろう!タケも一緒に入れば楽しいだろう!」
「姉上もですか…?!」
「千寿郎くん。大丈夫。私は後で入るから二人でゆっくりしておいで」
その日のお風呂からは2人の笑い声が聞こえてきた。一人っ子のわたしには少し羨ましく感じた。
「あの…姉上…」
楽しいご飯の時間が終わり、片付けなども終わり、ソファで杏寿郎と2人でお茶を飲みながらゆっくりしていた時だった。
部屋にいたはずの千寿郎くんがリビングに入ってきた。
「どうしたの?」
「あ、その…お部屋のクローゼットのなかに布団がなくて…」
「え?お布団じゃなくてベッドで寝ていいんだよ?」
「ベッド使っていいんですか?!」
「うん。もしかしてお布団が良かった?それとも私の部屋やベッド、臭ったりしてた?はっ…もしかして…加齢臭…」
「違うんです!」
少し顔を赤くしながら否定する千寿郎くんと顔を青ざめる私のやりとりを見ていた杏寿郎が口を開いた。
「タケ。実家の俺や千寿郎の部屋はベッドではない。」
「そうなんです。ベッドで寝るってことを人生で数回しかしたことなくて、とても嬉しいんです!」
「千寿郎くん…!なんて可愛いの?!そうだ!今夜は私たちの部屋で3人で一緒に寝ない?ベッドもかなり大きいし3人くらい余裕で寝れるよ!」
「そうだな!千寿郎!みんなで寝よう!」
「でも、お二人のベッドを俺が邪魔するのは…」
「問題ない!!」
「全く問題ないよ!」
「いや、それでも俺は遠慮します!それではおやすみなさい!」と顔を赤くしながら叫び、千寿郎くんは部屋に帰っていった。
その様子を見ながら杏寿郎と2人、クスクス笑った。
「まあ、千寿郎も中学生だ。いわゆるオトシゴロというものだろう。」
「あんなに小さかった千寿郎くんが中学生かぁ。月日が流れるのはとても早いね」
昔を思い返すような、しみじみとした気分になってた時、隣に座っていた杏寿郎が私の肩を引き寄せてきた。
「なあ、タケ。千寿郎がここにいる3日間は流石にタケに手を出すことができない。だが…キスだけはしてもいいだろうか…?」
「ふふっ…もちろん。沢山して…」
「そんな煽るようなことを言わないでくれ…我慢がきかなくなる…」
ひょいっと私を横抱きにし、寝室にあるベッドに降ろされ、たくさんのキスをしながら眠りについた。
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