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「タケ!これを着てくれ!」
ひまわりに落ちた後のおはなし
夕ご飯を食べおわり、お風呂にも入ってリビングでゆっくりしていた時だった。
「なにこれ?」
杏寿郎が持ってきたもの。ピンクの綺麗な紙で包装されたものを受け取り、開封してみる。
「は、はあ?!こんなの着れない!」
「着てくれ!」
「こんなのどこで手に入れたのよ!」
「この前の詫びだと宇髄からもらった!」
この前の詫び…なんのことだと思い返してみる。ああ、杏寿郎のセクシーショット事件か…
包装されていた中身…そこには…
『お注射しちゃうぞ☆ピンクな天使』の文字とピンクのミニスカナース服を着た女の人の画像。
「ムリムリムリ!こんなの着れない!ね、宇髄くんに返して!」
「さあ、着るんだ!」
「ちょっと!なに脱がそうとしてるのよ!」
ジタバタと抵抗するのもお構いなしに組み敷かれ、外されるボタン。スルスルと上着を脱がされていた。
「やっぱり着てくれないのか…?」と柄にもなくしょんぼりする杏寿郎を見て胸がキュンとなった。
私は杏寿郎のその顔にめっぽう弱い。
「あー、もうわかった!一瞬だけ!一瞬だけだからね!」
そう言い捨て、脱がされた上着と袋の中に入ってるナース服を持って脱衣所に駆け込んだ。
封を開け、薄ピンクのミニスカワンピを取り出す。テロテロしてる。こんなのを人生の中で着るなんて思っても見なかった。
本職の人に申し訳ない…と思いつつ足を入れ、服を上にあげて下から上へボタンを閉めていく。
「なんか…うん…」
目の前の鏡を見て現実を知る。
上までボタンを閉めると胸元が窮屈だ。ボタンを外してみたらきれいに収まった。こんなに谷間が見えていいのだろうか。
裾が短いのはしょうがない。そういうものだと心の中で自分に言い聞かせる。
「タケ!開けるぞ!」
「待って…!」とストップかける前に開いたドア。スカートの裾を引っ張って無駄な抵抗。胸元を隠すように腕で覆い、杏寿郎の方を見る。
「ちょっと事故レベルでひどいからあまり見ないで欲しいかな…胸元窮屈だし…」
「あられもないな!!」
「だよね…これで満足でしょ?着替えるから出て行って」
「それはできない」
「は?」
ドアを閉めようとする私の手を引かれ、いつのまにか杏寿郎の腕の中にいた。
「思ってたより数倍似合っている…もう少しじっくり見たいが…いいか?」
「そんな、見せ物じゃないんだけど…」
「可愛すぎる…写真に収めず、俺の心の中に留めておくから…頼む…」
「え、待って。写真撮ろうとしてたの?」
「この前の仕返しだからな…」
この後お互いにノリ気になり、病院ごっこという名のイチャイチャタイムが始まった。
結局写真も撮られた。
次の日、疲労困憊で一日中2人でベッドでゴロゴロした。休みでよかった。
「宇髄からお勧めの衣装とやらを聞いた!また次も着てくれ!」
「結構です。もう金輪際着ません」
「よもや…!!」
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