「本当ですか?!おめでとうございます!」



ひまわりに落ちる 07


夕方、図書館から帰ってきた千寿郎くんにも杏寿郎が話をしたら、パアァっと周りに花が咲いたかのように喜んで祝福してくれた。

「ずっとタケさんが姉上になってくれたらいいなぁってずっと思っていたんです」
「僕、タケさんのこと、姉上って呼んでいいですか?」

姉上、姉上、と色々話をしてくれる千寿郎くん。ああ、かわいい。可愛すぎて思わずギュッと抱きしめてしまった。

「私も千寿郎くんに姉上って言われて、認められて嬉しいよ。これからも仲良くしてね。」
「もちろんです!!」
「よもやよもやだ。2人共何しているんだ。俺も千寿郎とタケが本当の姉弟のように仲が良くて嬉しい!だがタケ。千寿郎に抱きつくのはいただけないな!!!」
「兄上、ヤキモチ妬いてますね」
「そうだね。」

「3人とも。そろそろ食べますよ」

テーブルの上には美味しそうなたくさんの料理が並び、5人で美味しくいただいた。


沢山あった料理がほとんど無くなり、食器などを片付けてひと段落ついた。

「じゃあそろそろ私はお暇しますね。今夜もごちそうさまでした。」
「ええ。また明日の朝待ってますね。」
「ありがとうございます」
「よし。タケ!俺が送って行こう!」
「僕はそろそろ部屋に戻ってテスト勉強してきます。」
「あまり根を詰めすぎないように休息もとるんだぞ。」
「はい。父上。」

煉獄家を後にし、うちへ向かう。隣同士なのに杏寿郎が送ってくれると言うことでお言葉に甘えることにした。

手を繋ぎ、ほんの数十メートルを歩くとすぐに玄関に到着。

「送ってくれてありがと……明日も日曜で休みだし、杏寿郎が良ければ上がってく?コーヒーでもどう?」
「ではお言葉に甘えるとしよう」

リビングのソファに杏寿郎を座らせ、お湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
コーヒーの入ったマグカップを2つ持ち、杏寿郎の隣に座る。

「煉獄家の皆さんが喜んでくれて本当によかった。嬉しかったよ。」
「ああ。でもまさか既に付き合ってると思われてるとは考えもしなかったな!」
「そうだよね。ビックリしたよね。」
「よし!では次はタケの母上に連絡をしよう。」
「やっぱり連絡した方がいいのかな…」
「当たり前だろう。俺はマツ家の一人娘と付き合うのだからケジメとして挨拶するのは当然だ」
「杏寿郎らしいね。なら電話してみるよ。」

母親の携帯に電話をかけると数コールで母の声が聞こえた。

「もしもーし!タケ?珍しいわね。どうかしたの?」
「突然電話ごめん。何か問題とかがあったわけではないんだけど…あの、実は隣の家の杏寿郎とお付き合いをすることになったの。」
「ついさっき瑠火さんから聞いたわよー!よかったじゃないの!」

瑠火さん情報提供早すぎる!!と笑っていたら杏寿郎が「電話を代わってくれ」と小声で言ってきた。

「お母さん。杏寿郎が電話代わりたいって言ってるから代わるね」

お母さんと杏寿郎がどんな会話をするか気になり、スピーカーモードにして電話を渡す。

「お久しぶりです。杏寿郎です。」
「杏寿郎くん久しぶりね。元気にしてた?」
「ええ。おかげさまで元気です!この度はタケさんとお付き合することになりました。」
「聞いたわよー!実はさっき貴女のお母さん、瑠火さんからもメールが来ててね!!やっといい報告が聞けたとお父さんと2人で喜んでたところなのよ〜!!」
「ウチの母がメールを送った?!!これからもタケを大切にしていきます。よろしくお願いします!」
「こちらこそ、甘ったれで何もできない娘だけどよくしてやってね!じゃあ、また電話するってあの子に伝えてて!」
「はい!!」

通話が終わり、杏寿郎と顔を見合わせる。

「相変わらずおばさんは忙しそうな方だ!」
「そうだね。でも元気そうでよかった。」

大仕事を終わらせたような達成感を感じ、2人してコーヒーを飲み、ほっと一息ついた。


「今日は2人の記念日になったな!めでたい!」
「今後ともよろしくお願いします。」
「うむ。こちらこそよろしく頼む!」


しばらく2人で談笑してから杏寿郎はお隣に帰っていった。




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