10.



『………』



電話かけてきた相手は無言だ。



「ま、松田くん…だよね?松田くんは怪我してない?!研二は隣に一緒にいるんだよね?!」

『タケ…ハギが………ハギが……



死んだ』

「…え……」


いま、彼は、なんて言った?
研二が、死んだって…?


「わ、私が爆発した、マンションの、近くにいるのわかってて、ドッキリ、なんでしょ?」
『バカヤロウ!ンな縁起でもねぇドッキリなんかするはずねぇだろ!!』
「…うそ、ほんとに…?」
『また詳しいことは後で連絡する…またな』


電話が切れ、松田くんの言葉が頭の中で反復する。


「もしかしてマツ先生の彼氏って、警察は警察でも爆発物処理班、だったのかァ?」
「……はい……」
「その電話は…」
「帰ります…松田くんや研二から連絡くるかもしれないし…」
「送ってく」
「いいえ、1人で帰れます」
「そんなフラフラな状態で一人で帰す訳にはいかねェよ。行くぞ」


手を引かれて車まで向かう。
マンションまで連れてきてもらった時のように住所を伝えると、ナビに入力して車は動き始めた。



何も話すこともせずにボーッと窓の外の景色を眺めてたらいつのまにか私の住んでるマンションに到着した。



「今日はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。しかも送っていただいて、ありがとうございます」
「謝ることねェよ。俺がしたくてしたんだから。あと、理事長から伝言預かってる。[有休まったく消化してないんだから、この機会に1週間ほど休みなさい]ってよ。」
「理事長にそう言われたら…休むしかないですね…」
「まァ、大変かもしれねェが、ゆっくり休めェ。くれぐれも、無理はすんなよォ」
「はい…気をつけます」


一礼したら不死川先生は帰っていった。


部屋に入り、フラフラとベッドに倒れ込む。
畳まれておいてた研二のTシャツを抱きながら、いつのまにか意識を飛ばしていた。






09. darkest






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