13.
「タクシーで帰る」なんて言っておきながらタクシーがいなくて歩いていると、車道からクラクションを鳴らされた。
歩道を歩いているのに…と無視して歩き続けてると次は声をかけられた。
「タケさん!送っていくから乗って!」
「降谷くん…いいよ、自分で帰れるよ…」
「いいから早く乗ってくれないか?ここ、車量も多いから…」
自分で停めてるくせに…と思いつつ、お言葉に甘えることにした。
「ありがとう…」
助手席に座り、シートベルトをつけると車が動き始めた。
「なんか最近、車に乗せてもらうことが多いな…降谷くんもだし、不死川先生も…優しいな…」と外の景色を見ながら考えてると瞼が重くなってきた。
でも助手席に座ってて寝るのも失礼だ…
「眠いなら寝ていいぞ」
隣に座る降谷くんからその言葉を聞いたのを最後、私の意識はフェードアウトした。
「………今日は時間に余裕があるし、少し遠回りしてタケさんの家に向かうか……」
「…さん……タケさん…」名前を呼ばれてまだ寝ていたいと感じながらも否応なしな目が覚めてしまった。
「けん…ふ、ふりゅやくん…?」
「家に着いたけど…もしかして寝ぼけてる?」
「…え?!ごめん、運転中に助手席で爆睡してしまうなんて…」
「そんな謝るようなことじゃないさ。ここ最近寝れてなかったんだろ?」
「あー…、うん…ありがとう…」
「ならよかった。じゃあそろそろ行かないと。また連絡するよ」
「うん。またね…」
白いスポーツカーを見送って部屋に入る。
パールのネックレスを外し、貰ったネックレスに付け替える。
喪服は着たままソファにすわり、部屋を見渡す。
マグカップ、おはし、歯ブラシ、タバコ、ライター、洋服。
チェストの上に置いてあったタバコとライターをつかみ、ベランダに出る。
一本取り出して火をつけ、口に含んで息を吸う。
「ゲホッ…ゲホッ……まずい…」
ーーーー「ねえ、体に悪いんだから吸うなとは言わないけど本数控えた方がいいよ?」
ーーーー「大丈夫だって!昔よりは吸う数へったから!」
ベランダにある灰皿に吸ってたそれを押し付け、鞄を持って私は部屋を後にした。
13. memories
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