17.
ハッと急に意識が浮上して目が覚めた。あれ?
「目が覚めたかァ…」
「し、不死川、先生…?」
顔を覗き込まれ、今の状況を理解する。
え、ひ…膝枕されてる…?!
「2時間半くらいか…よく眠れたかァ?」
「はい…しかもベストをかけててくださったんですね…ありがとうございます」
起き上がり、一礼する。
「もう、あんなことするんじゃねェぞ」
「……はい…」
「さっきよりもスッキリした顔になってるから心配なさそうだなァ…もしまた辛くなった時は言えよ。気が楽になるまで付き合ってやる」
「じゃあな、あと数日ゆっくり休めェ」と言い、私の頭をクシャッと撫でて不死川先生は戻っていった。
いつのまにかもう夕方になっていた。
不死川先生には悪いことしてしまったな…授業も大丈夫だったのだろうか。
それに、ベストを返しそびれてしまった。
結構汚れてるから、クリーニングに出してから返そう。
家に帰り、お風呂を溜めてる間に喪服を脱いでハンガーにかける。
お湯が溜まり、身体を洗って湯船に浸かる。
シェービングジェルやカミソリを見てまた涙が出てきた。
「ははは…あんだけ大泣きしたのに、まだ泣き足りないのか…」
脱衣所にはボクサーパンツにTシャツやジャージ。
家中の至る所で研二の気配を感じる。
夢の中では忘れろって言ってたけど、
忘れられるはずないよ…
私はまた、お風呂の中で1人泣いた。
ーーーーーー
「伊黒、さっきはありがとなァ。助かった」
「構わん」
「なーなー、不死川、お前授業中に校舎内を派手に爆走してたらしいじゃねーの。なんかあったのか?」
「何もねェよ。さてと、課題の採点でもしようかねェ」
赤ペンを手にとり、採点を始める。
「あら?不死川くん、ワイシャツ、肩の部分が汚れてるわよ〜」
「マジか。着替えないといけない位汚ねェか?」
「いいえ、部分的に汚れてるから…」
「そーいえばお前今日、ベスト来てなかったか?」
「そうだっけかァ?忘れた」
採点に集中できねェ…
ベスト、マツに渡したままだったな…
宇髄や胡蝶の話が遠くに聞こえる。
マツ、泣いてたな。
これで少しでも前を向いてくれればいいんだが…
また後で連絡とってみるとするかァ…
17. protect
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