破門
なんとなくだけどな。お前のこと、みてた。
「そんなこと言って。…キミがみてるのは、リンちゃんでしょ」
「うそじゃねーよ?だってよ、強えじゃんオマエ」
「え?」
「男子とかに絡まれた時はぜってー負けねーしさ、女子にいじめられた時なんか返り討ちにしてるし。なんていうのかさ、力の出し惜しみしねえんだよな」
「私、植物とか動物に優しく接するの苦手なんだ。すぐ折っちゃう。世話なんてしてられない。小さいものはとくに。だから誰も私に近寄らない。いじめるような輩は逆に勇気があるなあって思うよ」
「オマエってそういう性格だったっけ?」
「オビトくんには悪いけど、普段は確かに甘いと思うよ。でも実際は別。私にはうずまき一族の血が入っている。髪は波紋一族特有の水色だけど、それ以外はうずまき一族が主なんじゃないかな。波紋なんて苗字、私には当てはまらないから誰かにあげるよ」
「波紋じゃなくて破門だな」
「うまいこというね、その通り。だけど木ノ葉の三波浪は好きだから守っていきたい。どーせ三波浪はこの世代で終わるだろうけど血が残ってるから大丈夫だと思うけどね」
「意外と淡白。合ってたみたいだな。オレやっぱリンが好きだわ」
「私もミナモくんが好きだよ」
「俺達ってとことん合わねえよな」
「そうだね。でも、ちょっと似てる所はあるかも」
「どこだよ」
「それはね、“仲間思い”」
フフ、とソイツは耳元で微笑し姿を消した。オレがリン以上に見入ってしまった相手。
クソッオレの心をめちゃくちゃにしやがって。
後で覚えとけよ。と心に誓いながら。
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