はじめて


私は、いつもひとりぼっちだった。


「やーい蒼髪モン!移民!どっかいけー!」


「…やめろ!その子を怒らすな!!!」
「えー、なんでだよー。こんな弱っちいやつなんかいたっていなくたって同じだろー!?」
「そーだそーだ!!!」

「こら、やめなさい!ごめんねツルギちゃん!さ、行くわよ」


優しげに接してくるけど、本心はちっともそんな事思っちゃいない大人たち。
大人がそんな反応ばかりするから、それは子どもたちにも染み付いてくる。


「あ、ごめんねツルギちゃん。邪魔だったよね!ホラみんな、別の所行こう!」


こんな私を仲間に入れてくれる人もなく、優しさという仮面を被った奴らは私のために道を開ける。


うんざりだった。だから私は、火影岩の天辺から身を投げた。いらない体なら、なくなってしまえばいいじゃない。

いらない。

いらない。

私なんて。


いたっていなくたって同じなんだから。


ハシッ――――


誰?今、私の手を引き上げたのは。
優しさの仮面を被った大人?
仮面を被った大人のマネをする子どもたち?


「バカヤロウ!!!」


その時、なんで怒られたのか分からなかった。



それが、カイトくんとミナモくんとの初めての出会いだった。

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