トップシークレット


泣き虫で、淡白で。そんな自分を変えたい。でも、それでいいっていってくれるキミがいたから私は頑張れるよ。これからも、頑張って生きていくよ。キミがいたあの時代を知っている仲間たちとともに。


リン「ツルギってミナモの事が好きだったの?」
ツルギ「でも、ミナモくんてそーいうの興味無いんだって。カイトくんが言ってた」
リン「あー、ね。彼そういうのに無頓着そうだから。でも私が見ている限りでは両思いな気がするなあ」
ツルギ「えっ」

リン「だってさ、ツルギがピンチの時に現れるのって必ずミナモくんじゃない。ホントは私が向かいたいところだけどさ!」
ツルギ「そんなぁ〜大げさだよリン」

そんな女子会話を壁の向こう側で聞いている男子陣。

カカシ「どうしたの、らしくないよオビト」
オビト「なんかこう、ムシャクシャすんだよ!ツルギがほかの男のはなしするとさ!!!しかもあんな女々しいやつが好きだっていうんだぜ!?」
カカシ「オマエが好きなのはリンでしょ」

ミナモ「誰が女々しいやつだって?」
オビト「げっ」
カイト「二人共隅におけねーなァ!オレは紅ちゃんが好きだけどなッ!」


カカシ「でもアイツアスマの事好きらしいよ」
カイト「それでも好きなのッ!!!」


リン「なんか外が騒がしいね」
ツルギ「もしかして、聞かれた…とか?」
リン「カカシ!カイトくん、ミナモくん、それに…オビト!」

オビト「オレってリンが一番って決めてんのになんかアイツ見てるとムシャクシャっていうかうずうずっていうか、とにかく落ち着かねえんだ!!!」
ミナモ「いっその事同僚しちゃえば?そしたら奪われる心配ないし」
カカシ「ミナモ…今の発言は…ちょっと…」
ミナモ「え…?」


ツルギ「ミナモくんのバカッ!!!」
ミナモ「えっ…」
オビト「そーだぜオレはリン一筋だッ!!!」


ミナモ「い、いや今のは悪気があって言ったわけじゃ…」
カイト「あーあ。フラれたな、ミナモ」
ミナモ「僕の何が悪いっていうんだよッ!!!」


オビト「ツルギはな!オマエが好きなんだよ!!!」
ミナモ「…そんなのは間違いだ。俺達三波浪は結ばれてはいけない。たとえそこにどんな絆が生まれても。それは、根の決めたことだ。世代が変わってもそれは変わらない。これはトップシークレットだ。ツルギ“にも”気があるオマエ(オビト)だから言った」
カカシ「それって大丈夫なの?」
ミナモ「適切な処分は受けるさ」

カイト「それならオレも一緒だ。現場に居ちまったしな」
リン「そんな、そんなの可笑しいよ!好きな人同士なら結ばれたっていいじゃない!」
オビト「そんな条例があるなんて聞いてねーぞ」
カカシ「バカなの?トップシークレットだって言ってたじゃんミナモが」

ミナモ「ツルギの気持ちは知ってたさ。だけど、掟を守らなければ僕たちは離れ離れになってしまう。永遠に、木ノ葉の三波浪がね」

『ミナモくん。大好きだよ』


いつも思うんだ。あの笑顔で僕の名を呼んで、大好きだと言ってくれる日がいつか来て欲しいって。だけど僕は弱虫だから、条例で木ノ葉の三波浪が世代を越えて永遠に活躍できなくなるのを恐れた。彼女が泣き虫なら僕は弱虫。

オビト「条例におびえて恋の1つや2つもできねーのかよ…」
カカシ「木ノ葉の三波浪は今や偉大となったんだ。あの“伝説の三忍”のようにね。だから、そう簡単には断ち切れられないんだよ。―――その絆は、さ」


ミナモくんが石碑の前で泣いている私の前に来た。花束を持って。

ツルギ「ミナモくん…」
ミナモ「これを、キミのご両親に。…僕がもっと強かったら、キミと結ばれたのかな」
ツルギ「私は、ミナモくんやカイトくんと任務が出来なくなるの…嫌。だからミナモくんの選択は正しいよ。せめて私が…」
ミナモ「それ以上は何も言わないで。僕だって、キミを護るって決めたんだから」
ツルギ「…ありがとう」

カイト「やっぱオレがいないと始まんないよな!木ノ葉の三波浪は、さ!!!」
ツルギ「うん!」
ミナモ「騒ぐなバカイト」
カイト「なァ〜にィ!?」
ツルギ「け、喧嘩しないで二人共!!!」


リン「仲いいね」
カカシ「見てて飽きないな。オマエみたいに」
オビト「なっなんでオレを見て言うんだよバカカシ!!!」

3人一緒。それは、あの世でも変わらない。


きっと、どんな世代を超えても、木ノ葉の三波浪は“不滅”だ。

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