世話焼きの涙


「おーいツルギー教科書見せてくれー」

「毎回毎回、学習能力ってモンを覚えなよオビト」
「なんだよー。ケチー」

ブチッ

「「「あ」」」

ミナモとカイトに悪寒が走る。


「オビト…『逝ってヨシ{emj_ip_0834}』」

「へ?」

オビトの断末魔が教室に響いた。


帰り道。

「ってー。なんでもあそこまでする必要ねえじゃねえか!!!あの性格ブス!!!」
「オビト、言い過ぎだって」
「うるせえなあミナモ!今はアイツがいねえんだぜ。たまの愚痴ぐらいいいじゃねえか!オレが家ではどれだけこき使わされてることか!!!」
「そういえば最近オビト遅刻しないね。どうしたの?」

「さいきん道に迷ってるおばあさんとか荷物持ってるおばあさんとかいねえからな」
「お前は…」

「…まさか」
「どした?カカシ」

カカシはオビト達を置いて1人先を走った。リンとミナモは顔を合わせてその後を追う。
「オレは…どーすっかな」
オビトは決心したように、また2人の後を追った。
「ありがとうねえ、お嬢ちゃん」
「いえ、これも修行の一貫だと思えば」
「偉いねえ。そういえば最近あのコを見かけないけど、どうかしたのかい?」
「あー…」

「やっぱりね」
「カ、カカシくん!?」
「読み通り、キミがオビトの代わりをしてたってわけだ」
「ばれ、ちゃったか」
「キミはオビトの内定を守ってるんだね?」
「…このままじゃ卒業できないからね。いつまでたっても。それだけは嫌でしょ?って、私が勝手にやってるだけなんだけど」

「ホントに一途なんだから」
「え!?わ、私は別にあんなやつ!!!決めた!!!もう手助けなんかしないから!!!」

「んなもん最初っから必要ねえよ!!!この性格ブス!!!」

「!!?」
「あーあ」

「オレは修行したくて手助けしてるわけじゃねえ!!!その言い訳を今から改めろ!!!それにな、オレは火影になる男だぞ!!!手助けされてなってるようじゃそんなの楽すぎるだろーが!!!」

「…私は、間違ってなんかない!!!」
「なに睨んでんだよ!!! 言い返すのか上等だ!!!言いたいことがあるなら言ってみろよ、今直ぐ!!!ハイどーぞ!!!」

「あんたなんか知らない!!!」

駈け出したツルギの瞳には思わず流れたであろう涙が。今までなんのために頑張ってきたのか、悔しさと情けなさに濡れた顔だった。






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