僕を心配させないで
「儀式次元はちょっと特殊ね。隣の次元と離別している。一つの島国みたいに小さいわ」
カタカタとキーボードを打ち込んで、すました顔で用事をこなす私。
眼鏡をかけ始めたのは、融合次元に来てからだ。
それよりも、何故私は夢の中で遊雅に吸収されそうになったのか。
この次元のセレナという少女はレイという少女が開放した少女の1人だというが、
同じ顔をしていても立場がまるで違う。
そもそも、遊雅はズァークなはず。だったら私はレイではないのか?
「私は、一体何者なの…」
細川遊里、吉良アイカ、明智ハル。その中の1人が皇瑠歌という私。
プロフェッサーのリストに載っていた儀式次元の精鋭たちだが、
他の次元にも存在しているというデータがある。
つまり、パラレルワールドだ。
その中3つの世界に私は居なく、別の私にそっくりな少女たちが3人いる。
そして、4つ目の世界。それが私の存在する世界だ。
儀式次元は4つの島国で分かれている。それは、パラレルワールドであり一つになることはない。
「研究熱心だね、瑠歌」
「…私はズァークの善の心だとばかり思っていたわ。でもそれだとなにかがおかしいの。だから調べているのよ」
「そんな勝手なコト、許されると思う?」
「うるさいわねアナタには関係ないでしょ」
「だったらさ、僕たち結ばれるよね」
「は?」
「君がボクじゃないなら、もしボクがズァークに戻っても愛してあげられるじゃない」
「あなた…頭のなかがとことんお花畑ね…」
「クスクス、呆れる瑠歌もかわいい」
「ハァ…」
なんでこんなやつにこうも執着されているのか。私の混乱は更に増すばかりだった。
「でも、私には遊雅しかいないわ」
「じゃあ、ボクが遊雅ってヤツを滅ぼせば君はボクだけを見てくれる?」
「…出来るもんならやってみなさいよ。遊雅は負けないわ、お花畑さん」
「言ったね。ボクをその気にさせたお礼、たっぷりしてあげるから」
瑠歌がどこかへいっちゃいそうで不安なんだ。
毎日、毎日毎日。
もう心配させないで。ボクを、早く安心させて?―――――。
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