皆さん忘れ物はありませんね。それでは出発します。バス酔いした人はすぐに先生に言ってくださいね。六道くんどうしましたか?恋の病?先生にはどうにも出来ません。どうしても先生じゃないとダメなんですか……。なら先生の言える事は家に帰ってゆっくり気持ちの整理をしてください、ということです。今なら間に合いますよ、帰りますか?そうですか。では健康ということでいいですね。他の皆さんは大丈夫ですか?では目的地に着くまで自由に過ごしてください。……。沢田くんどうかしましたか?酔いました?先生の隣に来たかったんですか……。はいはいありがとうございます。でも獄寺くんが離してくれなかったのでは?あぁ、笹川くんと山本くんが相手してるんですね。……沢田くん、少し近いです狭いです。いえ、2人がゆったり座れるはずなのですが。先生側に詰めすぎではないでしょうか。好きだから、ってあはは、先生も沢田くん好きですよ、もちろん皆さんのことも。ちょっと沢田くん先生の上にのらないでください。六道くん、別に変なことしてませんから落ち着いて座っててください。沢田くんが先生の腿の上にまたがって向かいあって座ってるだけですから。いや、充分変ですね。それと危ないです、急ブレーキかかったら頭打ちます。さぁ下りてください。セクハラですよ。私がセクハラだと感じた時点でセクシャルハラスメントは成立するんですよ。そして私もPTAの目が怖いですし捕まりたくないのではやく下りてください。おっと本音が。え、条件?……そういうことは大人になって好きな人としてください。あ、雲雀くんありがとうございます。あぁ、睡眠を妨げてしまいすみません。主犯は沢田くんですから、文句は彼に。
別に沢田くんを売ったわけじゃないですよ。幼少のみぎりより嘘はいけないと教えられてきたので事実を伝えたまでです。さて、この話はもう終わりにしましょう。そうですね。城島くんの言うとおり盛り上がることしましょう。何かやりたいことはありますか?ジャンケン大会?いいですね。それでは1位の人には景品に先生がお菓子をプレゼントしま、え?先生の部屋で寝られるのが景品?そんなに通報されたいんですか皆さん、スリル追い求めすぎですよ、ってちょっと待ってください勝手にはじめないでください。……もう決まったんですか。早いですね。え、2人?沢田くんと六道くんですか。えぇ、いいですよ。先生の部屋に泊まっても。もうここまできたら先生には止められませんから。おっと、そろそろ目的地に着きそうです。忘れ物に注意して下りてくださいね。



「リボ山先生」
「なんだ」
「確か一部屋空いてましたよね?」
「あぁ、今日の分はな。急遽2人の先生が学校に残らないといけなくなって明日合流になったから、そこの部屋が開いてるぞ」
「そこ私が借りてもいいですかね」
「いいぞ。お前も大変だな」
「えぇ。でも部屋が変わったんでひとまず安心です」
「……そうか」
「あぁ、彼らが相手だとまだ安心出来ないんですね、分かりました。旅行中常に神経を集中させて気をつけておきます」


――――
修学旅行編。




[2011.07.08] 

 
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