09
「おれがいない間にそんなことがあったのか?」
対策を打つためにその場にいなかったサンジさんを呼んで一味会議が始まる。さっきのMr.2の能力で何かがあってからでは遅いんだ。打てる対策なら早めに打っておいた方がいい。
「じゃあ私中に入ってるね」
「え?どうして?」
「そうよ、なまえさんも一緒に……」
直接面と向かって言うのは少し気まずい内容だが、わかりきってることだ。
所詮私は他人。アラバスタの戦いに協力させてもらうってだけで、それが終わったら関わりはなくなる。
「私は触られてないから、私に化けられる心配はまずないはず。だからみんなが仲間を信じられる対策をすればいいと思うんだ。……ほら私は同行者であって"仲間"じゃないから」
その言葉に顔を曇らせてしまうが、困らせたかったわけじゃない。それは本当のことだし。
「こいつもこう言ってる事だ。何か考えんぞ」
「だけどゾロ…!」
「マリモてめェ……!」
「…………おれは元々お前を信用も、信頼もしてねえ。自分のことは何も語らず分かるのは戦闘能力があることだけ。いつ寝首を掻かれるかわからねェ。正直言っておまえは不穏因子だと思ってる」
淡々と言われたその言葉に再びサンジさんが怒鳴る。ルフィさんはじっと成り行きを見ているし、チョッパーさんは泣きそうだ。
でもゾロさんのそれは否定出来なくて。こんなに迎え入れてくれるのが異常で、むしろその反応が普通なんだ。
でもなんだろう、分かっていたのに、分かっていたのに泣きたくなるこの感情は。
「……私もそう思います。」
畏まらなくていいと言われた敬語を元に戻し壁をつくることで、胸の突っかかりに気づかないフリをした。
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「ゾロあんたねぇ……!」
「うるせェ。元はあいつから言い出したことだ」
食いしばり足に引っ付いてくるチョッパーを引き剥がす。
むしろなんでお前らはそんな簡単にあいつを信頼できるんだ。人に追いかけられてたことしか分からない、だが謎の能力はある。しかもそれは、液体を操ると来た。
悪魔の実の弱点の海だって液体で。液体の範囲が広くて、それはこの一面の海だって操れるんだったらどうする。ウチの船長は悪魔の実の能力者だぞ。海に攫われたりしたら一溜りもねえ。ただの人間だって海の中じゃ身動きは余り取れないんだ。
「ゾロ、でもおれなまえを仲間にしてェんだ」
「…分かってる」
いずれ言い出すと思ってたその発言に周りのヤツらは異論を唱えない。まぁ、唱えても船長命令なんだからそうそう逆らえない事には変わりはねえ。
「なまえに海を見せてェんだ!冬島の雪だって、春島だって、巨人だって、不思議動物だって、お宝だって、一緒に冒険してなまえに見てほしい!」
「…………」
「お前にしては良いこと言うじゃねェか!なまえちゃんはのお陰で華が増えるぞ〜!」
「あらサンジくん私たちだけじゃ足りなかったっていうの? でも私も年齢が近い女の子のなまえが増えるのは嬉しいわ」
「まぁ、戦力が増えるのは良いことだよな」
賛成の流れに隠さず舌打ちをして、チョッパーをウソップに投げた。
「……勝手にしろ」
俺はそう簡単に信じねェからな。
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